3話 黒と白 〜秘密〜
「ついた」
カチャリとドアの鍵を開けて、アラン達は家へ入る。
「多分二階にあるわね。行きましょ」
アランがそう言い、二階へ上がって行く。
「なぁにこれぇ…資料がいっぱーい」
「(棒)的な意味で言うのやめましょうよ、アラン」
ファイアが突っ込んだ。
「それは別にどうでもいいんだけどさ…何調べてたの?あの子……?」
そう言ってアランは資料を読みあさった。なるほどね…。へぇ、まさか私の事だって調べてたんだあの子…。まぁ、私だってイエローの事調べてたけども。何々、ん?リーフの父親の事…。そう言う事か。イベルタルの研究ってそう言う事だったのね。父親はイベルタルの破壊が本当なのか実験してたのね…。それで、イエローを使った。でも何で破壊して元通りにした事に怒っていたの?やっぱり、ダメなのかな。解き放ってあげないと…。
「…………」
資料を元の場所に戻そうとした瞬間、イエローの事が書かれている資料が置いてあった。手に取り、読んでみた。
元科学者。デオキシスとミュウツーの研究をしてた。事情により、デオキシスとミュウツー実験は中止となった。伝説のポケモン、イベルタルとゼルネアスそして、メガ進化の研究を始める。イベルタルの破壊の力とゼルネアスの再生の力。そして、メガ進化の力を確かめるべく、リーフの父親が研究している場所へ行くよう、上司から命令された。そのことで怒ったイエローは上司を殺害。現在も逃亡中であり、国際指名手配中の人物。ついに、イベルタルの力を発揮できたリーフの父親は狂っていたことに気が付いた時には、もう遅かった。過去での実験室、研究室は破壊したが、未来でも起こる可能性が高い。そのためには、アランの力が必要。そのためにも、アランを探して協力してもらわないといけない。リーフの父親は未来でもはやり、狂っていた。リーフの事が心配だ。リーフの事が好きだとか何とか。研究者は見な、父親を見ては見て見ぬふりをして、みな、父親の実験から手を引いた。だけど、なぜか私だけずっと残っていた。なぜだろう。ずっと居た理由が分からない。今もずっと…。
「…………」
イエローも苦しんでたんだな。イエローも決着を付けたいんだろう。だけど、決着を付ければ、どうなるか。予想は付く。皆救えない運命。
何もかも、救えない事に、絶望を感じる。イエローの資料を折りたたんで手に持つ。そして、私はリーフ達に言った。
「悪いけど先、行ってる」
そう言って私はイエローの鍵をリーフに渡して、マイトで四の島へ向かった。
「どうして、やめないのよ。リーフの事、好きなんでしょ?」
イエローはそう、リーフの父親につぶやくように言った。