1話
時は半年前…私はカントー地方のマサラタウン、自分の出身地へ戻って来た。リーフの家で私は鍵の掛かった引き出しの鍵を開けるため、ピッキングをしていた。鍵の掛か引き出しはリーフの父親の資料のはず。調べるために、開けなきゃいけない。
「チッ……」
軽く私は舌打ちをした。引き出しの鍵の掛かっている所へ耳を近づけて音を確かめながらやっている。かれこれ30分近く、この作業をしている。部屋に入って言い許可はオーキド博士から許可をもらっているが、五年間何をしていたのかと聞かれた。博士に、リーフの父親を探していると、言うと驚いたような顔をされて反応には困った。故郷へたどり着いたのは、リーフの家の引き出しにリーフの父親の資料があると知ったから。まぁ、マサラタウンに付く前にレッドとすれ違ったけど。レッドはファイアとグリーンに任せろとか何とか言うとか、言ってたけど私は今それは関係ない。そう思っているとカチッと言う音が聞こえた。
「空いた…!」
そう言ってガラガラと引き出しを手間に出す。すると、5枚の資料が出て来た。中に入っている資料を読みあさると、バックにそっと入れて、引き出しを締める。階段を下りてリーフの家を出る。そして、マサラタウンから一番道路へ歩いた瞬間、声が聞こえた。
「お前、本当はリーフの父親、何処に居るか分かってんだろ?元チャンピオンのアラン」
その言葉を聞いてピタリと足が止まった。そして聞こえた方へ目線を向ける。
「知っていたとしても、知らなかったとしても…リーフを近づけちゃだめよ。まぁ、言ったとしても?後輩は聞かないだろうし。見守ってあげるのよ、私と貴方がね…」
「…………だな」
リーフの家の裏で腕を組んで話しているレッドは頷いて言った。
最初に旅だったときは一緒だったっけ。彼と。リーフを探すレッドとリーフの父親の手がかりを探すアラン。二手に分かれてジムを制覇しながら先にチャンピオンになった私を打倒して、またそれぞれ手がかりを探す旅に出たのはおぼえてる。私はネクタイ型にしてあるスカーフをくっと掴んだ後、レッドにこういった。
「それじゃあ、またね」
「あぁ、しばらくはさよならだな」
リザードンをボールから出して空を飛んだ。レッドはその光景を見た後、彼もリザードンを出して、シオンタウンへ向かう姿が見えた。
「さて…サカキに聞きますかね…マイト」
マイトと呼ばれたリザードンは行き先を聞いて頷いた。そして飛び立つ。
〜2〜
「ほぉ、それを私に知らせに来たのか。情報交換というやつだな?」
リザードンのマイトをボールに戻さず、アランはサカキと会話をしている。
「えぇ。証拠さえ見つかれば、奴を引っ張り出すこともできる。あの時の出来事だって認めざる負えないでしょうね」
「それを私に言って、どうするつもりだアラン。だが、そんなことはどうでもいい。奴の日記だ」
そういわれ、日記を二冊手に取る。古びた日記をパラパラとめくりざっと読む。二冊の日記を読み終えて、サカキに渡して言った。
「これをリーフに渡して上げて。彼女も奴を追いかけるはずだけど。渡して損はないはずよ」
「…分かった。奴は自分の手がかりを抹消しようと、消しに来る。気を付けろ」
「忠告、ありがとう」
一言お礼を言うと、マイトの背中に乗って、空を飛んだ。ある程度空を飛んでいると、声が聞こえた。
「やはり、君かぁ…私の証拠を奪ったのはっっ!!!」
後ろへ振り向くと、プテラの足に捕まり白衣を着て叫んでいるのは『奴』だった。
「…………」
怒りと発狂の威圧感が半端ない。戦うって言うんなら、相手がその気ならやってやるけど。
「プテラ!岩雪崩!」
「っ……戦う気満々ってか!マイト!よけてからの大文字!」
白いスカーフをなびかせながら私は、岩雪崩を避けるよう指示した後、マイトに技を指名した。軽々とよけられ、奴に言われた。
「ナナシマで、再スタートだ。ふっははははは!!」
奴はそういうと、何処かへ飛び去っていった。
「………ナナシマ…まさか、レインボーパスを使って…」
そう、新しい島。奴はそこで何かをしているに違いない。私はクチバシティへ行き、レインボーパスを船の人に見せて、ナナシマの一の島へとやって来た。ポケモンセンターへ行き、彼の名前を呼ぶ。
「………ニシキ」
「あ、マサキさんが言ってたアランさんですね!待ってました!」
私がうつむいたまま握手すると、ニシキは不安な顔をして訪ねて来た。
「あの、大丈夫ですか?」
「…大丈夫。それより、プテラで空を飛んでる奴いなかった?」
「え…プテラですか?空を飛んでやって来た人はいませんでしたよ?船から降りて来た人も5人ぐらいでしたし…」
手を放して、ニシキがそう言った。
まぁ、空を飛んで目立つようなことはしないわな。となると、船の中に入って紛れ込んだ…が一番考える事か。服装を変えれば、見分けは付かなくなるから…。また、振出か。といっても、半年後にこれば大丈夫なはずだ…そう、考えがまとまって少ししたらレッドもくるはず…そう私は思い、ニシキに言った。
「そう…ありがとう。来てすぐだけど…半年後にくるわ」
「えぇ!また来てください!待ってます!」
ニシキは微笑んだ。また来てくれと、喜んで言ってくれた。私はニシキに別れの挨拶をしたあと、トキワシティへ行った。カフェで暖かい紅茶を飲みながら、考え込んだ。奴は一体…何かを探しちゃ行けない気がする。そんな感じを感じて思ったのは、奴に会ってしまったからだろうか?読んだ日記と資料。奴はリーフをナナシマへ連れて何をするんだ?…今考えてもしかたないか。胸騒ぎを感じつつ半年後、ナナシマへ行った。