10話
「はぁ…はぁ…リーフ!!」
廊下を走って、一つの部屋を見つけて、ドアをバンと開いてグリーンが叫んだ。
「ほぉ…仲間を見捨ててここまで来たのか」
モニターを見ていた、リーフの父親はフッと笑ってからリーフに目線を向けて、ファイア達の目線へ向けて言った。
「っ……!見捨ててなんかいないっ!!」
ファイアがリーフの父に叫んだ。グリーンが付け足してどなった。
「大の大人が何してんだよっ!!」
「ガキの分際が…!」
そういうと、リーフの父は、ポケモンを一匹出した。
「ここまで来た事、公開させてやる!行け!ニドクイン!」
「フシギバナ!」
「カメックス!」
ファイアもグリーンもポケモンを出した。二人はポケモンに指示を出す。
「カメックス!ハイドロポンプ!」
「フシギバナ!ソーラービーム!」
リーフは、グリーン達の後ろに、レッドさんたちとリザードンが居たのを見た。そして、リーフは叫んだ。
「リザードン!!!火炎放射!!」
リザードンはすぐにこちらに飛んできてニドクインに火炎放射を撃った。
「フッ…」
かすかに笑ったような声が聞こえた。その声は、爆風によってかき消されたが、リーフは確かに聞いた。レッド、アラン、マサキとデオキシス、ミュウツーがやって来た。リ−フはすぐさま、アラン達の方へ走って来た。煙の中からバサッと出て来たのはプテラの足を掴んで飛んでいる父が出て来た。煙が晴れて、ニドクインは無傷だった。守るか。アランとレッド、そしてマサキもポケモンを出した。アランはリザードンを出し、レッドはカビゴンを出した。マサキはエーフィを出す。マサキがエーフィをモンスターボールから出すと、エーフィがテレパシーで六人に言った。
「アイツの切り札はまだいる…気を抜かないで」
六人は頷いた。自分たちのポケモンを見つめてヤツに目線を向けた。鋭い目線を。ヤツは笑っていた。まだ、終わらない気がする。まだこの嫌な思いは続きそうな気がした。アランは分かってる様な顔をしてヤツの顔を、少し笑って見ていた。
「アランよ、話したらどうだ」
突然ヤツはアランに話しかけて来た。アランは動じない。レッドも、動じなかった。その言葉に反応したのは、四人。アランは奴に目線を向けたまま言った。
「いずれ話すさ。お前には三人の気持ち、分からないだろう」
「ほぉ…熟知しているような言い方だな…」
「あたりまえだ。貴様は一生分からないだろうがな!…今ここでお前の運命は尽きる」
そうレッドが付け足しで言った。
「エーフィ!」
マサキが彼女の名前を言うと、うなずいた。
「分かってる。ヤツの動きを止める…!はぁああああ!!」
エーフィは力を溜め始め解放した。ソーラービームだ。プテラに向かって放たれた。
「よけろプテラ!……っ…!?な、なんだ…か、体が動かんぞ!」
動けぬまま、ソーラービームが迫ってくる。リーフは微笑み言った。
「この子は特別でね。サイコキネシスを使いながら、別の技を出すことができる。私の事ばかり調べて居たのが、運の尽きね」
仲間が居るから笑みを出す。この私に向かって笑うとは、いい度胸じゃないか。そーらビームを直に受けて、煙が舞う。煙が晴れると、父はその場から居なくなっていた。
「逃げられたか」
レッドがポケモンをモンスターボールに戻してそう言った。
「…………」
アランは黙ったままデオキシスを見つめていた。少し黙ったまま、デオキシスとミュウツーに言った。
「野生に帰ることも、可能よ。二匹は。どうする?」
二匹はふわっと浮いて、壊された窓から外へ出て行った。
「………けじめを付けなきゃ……」
リーフがぽつりとつぶやいた。ファイアとグリーンはリーフの横顔を見ていた。
「……リーフ」
グリーンがつぶやいて、外を見つめて目を瞑った。
「足取りが、つかめないし…自分のしたいことをしてみたらどうかな?」
ファイアがそうつぶやいた。アランがファイアの言葉に賛成した。
「そう…ね。カントーへ戻りましょ」
アランが言うと後ろから声が聞こえた。
「おーい!みなさーん!」
「ニシキ!」
マサキが彼の名前を言った。五人はポケモンをモンスターボールに戻し、六人はニシキと合流した。一の島の人達は、ほとんどの人が亡くなってしまっていた。悲しい顔をしたリーフは一の島の人たちに言った。
「亡くなった人の分まで…生きます…でも、この島を利用したのは…私の…父…絶対に、止めます…だから、その」
リーフが言葉に詰まると、島の人たちは誤りだした。自分たちが悪かったと。一の島の人たちと会話をした後、カントーのクチバシティへ戻って来た。それぞれ皆は、自分のしたいことをしだした。私は先輩のアランさんと父の追跡を再開した。マサラタウンで、アランに父の知っていることをすべて教えてもらった。まだ、隠してる様な気がするけども…ナナシマの事件から、半年が過ぎた。
父を探すため、アランさんから情報をもらい、ジョウト地方へ行くために読んでいた日記帳をパタンとしめた後、椅子から立った。