ナナシマ編
5話
「よくやったよ、デオキシス。さすが、私が生み出したポケモンだ!クックック…ははは!」

「…動かないで」

「…!いつに間に」

リザードンが奴の首の後ろに爪を当ててリーフが言うと、父は驚いた声を出した。リーフの父親は研究をしてモニターを見ていたが、振り返り、リーフの顔をみて言った。

「目が覚めたのかリーフ」

「…気安く呼ばないで!私に何をしたの!?」

「何故そんなに怒る?怒る必用などないだろ?」

「………っ!アンタは私に苦しみを与え続けた!!それなのに!それなのに!!アンタのせいで!お前のせいで!!」

リーフは父の首を掴む。馬乗りになって怒りに任せて。だけど父は笑っていた。何が可笑しい。何が楽しいんだ。

「はっははは!私がそんなに憎いかっ!!」

「っあ!!」

リーフはデオキシスに飛ばされた。

「ハァ…ハァ…憎いか?リーフ」

父は自分の首を触ったあと、近寄ってきた。リザードンはデオキシスと戦って、倒れている。

「リーフ…は私の物だ。誰にも渡さない」

私の首をぐっと掴む。今度は父が馬乗りになって。

「ん?なんだその目は?何故そんなに求めるか…そんな目をしているな!!」

首を掴む力が強くなった。

「あぁああっ!!」

「何故求めるか、それはリーフの父だからさ!リーフなら分かってくれるだろ?」

首を掴む力が徐々に弱くなっていった。傷つけたくないそんな思いを感じた。けど、私を絶望に突き落とした本人なのは確かだ。

「っ……!」

リーフはモンスターボールの開閉スイッチを父に気づかれずに押した。

「ハァ…ハァ…」

リーフは首を押さえながら、キュウコンの背中に乗った。飛ばされた父はフッと笑って言った。

「…仲間の元へ行ったって無駄さ。全員倒したからなぁ」

「……何で…なんでアンタはこんなこと!私を大事にしているのなら!どうして!!!」

リーフは父に言った。父は顔を押さえてモニターへ目線を戻した。

「いつからだろうか、愛情から狂喜へと変わっていった」

突然過去の話を話始めた。

「人間とは不思議なものだ。……こい、リーフ!」

リーフの腕を掴み、デオキシスと一緒に何処かへ消えた。





アラン ( 2016/06/20(月) 01:08 )