ナナシマ編
3話
「………」

机に置かれているのはティーカップ。紅茶を飲んで入り口を見ていると、初めて会う人が三人いたが、三人の後ろに見覚えのある人物がノートを持って歩いて来た。

「……まさかね」

と、呟くと相手も気づいたのか、こちらに顔を向けて驚いた顔をしていた。

「アラン……?アランか!?」

マサキがそう言ってノートを持ったまま歩いて来た。

「久しぶりね、マサキ」

「や、やっぱりアランやったか…ってお前今までどこ行ってたねん!五年も連絡せんと!」

マサキに怒鳴られた。私は目線を抱かれている少女に向けて、マサキに言った。

「偶然ね。まさか、事件に巻き込まれるなんて…しかも、マサラ出身が五人も…罠だと、思わない?」

「俺も、こうやって会うのは変だと思うがな。それと、久しぶりだな、アラン」

入り口から歩いて来たのはレッドだった。いつから話を聞いていたのか。

「ん…レッドね。久しぶり。まぁ、ファイア達にとっては楽しい旅になるかもだったけど、『DNA』のポケモンでそれは儚く散ったけど…マサキが手に持ってる日記って、リーフのお父さんのでしょ?」

「な、なんで紹介もしとらんのに、あの三人の名前知ってるんやアラン!!」

マサキが驚いたような声を出して私に問いかけて来た。

「調べたのよ。そしたら二人が半年前にマサラタウンから旅立った…ってね。まぁ、レッドとはたまにしか連絡取り合ってなかったけど。二人の少年の代わりに少女の情報を探すとかなんとか、五年前ぐらいに連絡されたっけ」

「そういや、お前って五年間の間何やってたんだよ。俺と同じで図鑑はもらったはずだけど…」

レッドがグリーン達がポケモンセンターの奥へ入っていくのを見た後アランに視線を戻してそう言った。

「何って…こっちもこっちでいろいろ調べてたけど…」

そう言って机に置いてあったティーカップを持ってジョーイさんに渡したあと、戻って来てマサキに言った。

「リーフは戦わせちゃだめよ。彼女が戦いたいと言ってもダメ。理由はわかるはずよ。彼女ならこの意味が…ね」

そう言って私はポケモンセンターを出て行った。外へ出て、モンスターボールの開閉スイッチを押して、リザードンを出した。

「マイト、さっき言った所にお願いね」

マイトと呼ばれたリザードンは頷いて翼を広げ、主人を載せて空を飛んだ。

■筆者メッセージ
(ゲーム版の)レッドパ、グリーンパを厳選中…そして、(三人の旅の)ファイアパ、グリーンパも厳選中…リーフパは完成!
アラン ( 2016/06/16(木) 20:37 )