ポケットモンスターFR・LG〜三人の旅〜














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第五章 届かないその温もり
4話
ファイアとグリーンはマサラタウンの研究所にいた。オーキド博士に呼ばれた。二人とも包帯を巻いている。ファイアは俯いたままだ。グリーンはオーキド博士を静かに見つめている。

「…………」

ファイアは、黙ったまま研究所を出ていった。グリーンや博士は止めない。グリーンは止める気にもなれなかった。フシギバナは手元にはいない。それに、リーフを求めたって帰ってこないと言う事を、ポケモンタワーで聞いてしまったから。

「リーン…グリーン!」

オーキド博士に言われハッと顔を上げた。

「博士…」

「レッドから連絡じゃ。「ファイアと一緒に、シオンタンへ来てくれ」とメールが来とったわい。今から来てほしいそうじゃ」

「………けど、俺…」

顔をそらして小さな声でグリーンは言った。博士は何も言わなくなった。ただただ、グリーンを見つめるだけ。

「とりあえず……俺、レッドさんに会ってくるよ」

そういって博士に言って、俺は研究所から出た。ファイアは自分の家に帰ったかと思い、ファイアの家へ行った。

「あの、ファイアは帰って来てますか?」

「あら、グリーンじゃない。ファイアは帰って来てないけど…どうかしたの?」

「帰って来てない…?」

「えぇ…来てないわ」

ファイアの母親から帰って来て入ないと聞いて、黙り込んでしまった。

「……わかりました。ありがとうございます」

お辞儀をした後、俺はファイアの家を出た。ピジョットをボールから出して、シオンタウンへ向かった。


今、君は何処にいるんだ?


アラン ( 2016/05/01(日) 21:17 )