1話
「………お帰り、リーフ。帰ってくると思っていたよ」
聞き覚えのある声。顔を上げると、右胸にはRの文字が。
「さぁ、このポケモンを君に…あの二人の元には帰らないんだろ?」
大きく上下にうなずく。そして、ポケモンが入ったモンスターボールを受け取る。サカキの後ろには、おじいさんが汗を流して私を見つめている。
「サカキ様」
「どうしたんだね、リーフ」
「ここは、私が」
私は言った。
「いいだろう。なら、私は先に帰ってる事にするよ」
そういって、彼は歩き出した。サカキが階段を下りた後、私はもらったモンスターボールを握りしめる。
「これでいいの……何も、悪いことなんてあの二人はしてないんだから…」
小さく彼女はつぶやいた。おじいさんは、気づいた。気づいてしまった。彼女が、時渡ポケモン、セレビィを殺したと言う事を。その罪を言っているんだと。だから、償いは、ロケット団に入って従う事だと言う事を知ってしまった。おじいさんは、ポケモンのお墓の前でゆっくりと彼女の背中を見て、口を開いた。
「お嬢ちゃん……」
「………」
「まだ若いのに…どうしてなんじゃ」
「おい!じいさん、こいつに話し聞いたって無駄だぜ」
リーフの隣にいた、ロケット団員の下っ端が庇うように言った。
「君たちはなぜ…」
おじいさんはそういうと、何も言えなくなった。
〜2〜
「はぁはぁ…さすがに走りっぱなしはきついぞ…」
息を切らしながら、グリーンはファイアに言う。
「行こう」
そのまま、ファイアはポケモンタワーへの方へ歩く。
「お、おい!疲れてねぇのかよ!ったく…」
そういいながらも、グリーンはファイアのあとに続いた。