16話
「ハァハァ…」
二人が居なくなって、息が荒くなる。怖い。違う、そうじゃない。自分がおかしくなっている。服も着替えず、窓を開け、モンスターボールから、リザードンを外にだす。
「帰ろうよ…サカキの所に…やっぱり私の居場所はあそこだから…」
そういってリーフは外へ出て、リザードンの背中にのり空を飛んだ。リザードンは何も答えない。主人の指示にしたがいサカキの居る場所へ飛び立つ。
「ごめんね…やっぱり君たちには、償えない罪だから…」
その一言で彼女は姿を消した。
「リーフのやつ……遅いな」
「うん…」
二人は呟くように言う。ふと、椅子に座って待っていると、ジョーイさん顔が焦っている顔になっていることに気が付いたファイアは、椅子から立ち上がりジョーイさんに尋ねた。
「どうしたんですか?ジョーイさん」
「そ、それが!リーフさんが居ないんです!」
「何だと?おい、それはほんとか!!」
グリーンは窓の外を見ていたが、その事を聞いて、視線をジョーイさんに向けてそう聞いた。
「は、はい…病室に入ったら窓が空いていて……」
「あのばかっ!」
グリーンがとっさにその言葉を口にした。
「……」
ファイアは黙る。頭を回転させる。
三つの街に、ロケット団員が居る。その二つは俺たちが阻止した。つまり、ひとつだけ残っている街。一度だけ訪ねて、誰も人が居ない…そう考え、ロケット団アジトに落ちていた、アイテムをバックから取り出す。
「そうか、そう言うことか…」
「ファイアさん?」
ジョーイさんが彼の名前を言う。
「シルクスコープがどうした」
幽霊、シルクスコープ、ロケット団、つまり、リーフが向かった先は、
「シオンタウン」
そう、呟いた。
「リーフがリザードンをボールから出して、空を飛び向かった先は…」
「なるほどね……シオンタウンってわけか。っていうか、ファイア」
「ん?」
疑問に思うことをグリーンはファイアに聞いた。
「推理しないだろ。大体、何考えてるかわかんないし」
「まぁ、そういうのしないけど、ピンと来て。ヒントは合ったわけだし。いこう、シオンタウンへ」
そういって、ジョーイさんに、お礼を言い、ヤマブキシティをあとにした。