ポケットモンスターFR・LG〜三人の旅〜 - 第三章 君の言葉が悲しくて
15話
目を覚ますと、白い天井が最初に目に飛び込んで来た。上半身を起こして、左に向くと、ファイアが寝ていた。左手を握られている。

「……ん?」

「気が付いたのか」

目を開けて、顔をあげるファイア。ドアの音が鳴り、入ってきたのはグリーン。三人は何も答えない。少しだけ、沈黙が続いた。すると、ファイアとグリーンが同時に口を開いて言った。

「「お帰り」」

彼女は嬉しくないような顔をしていた。聞かれるんじゃないかって。

「グリーン、怒っちゃ駄目だよ」

「分かってる。分かってるけど…」

グリーンも、洗いざらいぶちまけてしまいたいんだ。感情を。俺は俺に言っていた八つ当たりってやつだ。あのあと、小さい俺は居ない。あの時だけ俺が出てきた。

「何で……だろうね?」

白い布団を見つめながらリーフは掠れた声を出した。

「何で、私…」

言いたいことは分かった。多分。何で私だけさらったのか。もしくは、何で私だけポケモンと話せるのか。もう、あの頃になんて戻れない。それだけは分かる。俺も、グリーンも何も答えない。

「ご、ごめん…気分悪いよね?俺ら席はずすから!それじゃ!」

慌ててファイアは座っている椅子から立ち、グリーンの腕を掴んでドアノブを掴んで開けそのまま部屋を出ていった。ポカンとリーフは出ていった二人の顔を思い出して、ドアを眺めていた。

アラン ( 2016/03/26(土) 15:38 )