ポケットモンスターFR・LG〜三人の旅〜














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第三章 君の言葉が悲しくて
9話
「ねぇ…何で二人には能力がないの?何で、私だけなんだろうね?」

「綺麗な夜空だね。三人で見れて嬉しいよ、私は!」

「なんで、彼女だけポケモンと話せるんだろうな…」

「変な夢……みちゃって……」



今、思えば…彼女が嫌な夢を見たのは、このことを予言していたのかもしれない。

絶望の扉は開かれた―


誰かが、そう言った。

小さいころから始まっていたのかもしれない。この、絶望を知るということを―



マサラタウンに戻って来て、三週間がたった。グリーンが突然、二階に上がってきた。

「いつまで、そうしているつもりだよファイア。助けに行かなきゃならないだろ!?いい加減にしろよファイア!お前だって、分かってんだろ!」

「分かってるさ…もう、大丈夫…大丈夫だよグリーン」

作ってる微笑みは苦しいことを意味しているのは、知ってる。口では大丈夫、と言っていても本当は苦しいのは同じこと。俺も、博士にしたことと同じ。昔と全然そういうとこ、変わってねーよ。ほんと。

「ほら、行けよ」

そうグリーンは背中をポンっと押してくれた。グリーンの方向へ振り向くと、目に移りこんだのは研究所だった。

「グリーン…後ろ」

「あん?……って…」



まだ、絶望は終わらせない―

立てなくなるまで、与えてやろう絶望を―




そう、誰かが囁いた。

アラン ( 2016/03/15(火) 16:09 )