ポケットモンスターFR・LG〜三人の旅〜 - 第二章 君の言葉が届かない
2話
「サカキ様…あの、どのような…」

リーフは、お月見山から、サカキという人物の元へ戻り、話をする。すると、彼の口から語られた。

「なぜ、君が記憶を失っているのか…それは知らなくていいことだ。それと、リーフ君、君はファイアと、グリーンという人物とすれ違ったね?」

そのことを聞くと、一歩下がった。やっぱりあの時すれ違った人物は、あの時の二人だったと。今聞いてわかった。私を探している?帰りたい…けどここに残りたい。残りたい理由なんて……なんて…まだわからない。知りたいけど、自分の気持ちがわからない。サカキは、笑みを浮かべてリーフを捕まえこう言った。

「君には、お仕置きが必要だね。帰ろうとしてるんだろ?あの二人の元に…」

自分は思い出せない。けど、うっすらと記憶にあるのかもしれない。何で、あの二人を知っているのか、自分にはわからない。父はずっと、サカキだと思っていた。故郷も知っていた。何を自分が知っていて、何を知らないのか…私はまだ知らない。知る価値もないのかもしれない。そう、心から思った。私は、サカキがいる前で、震えてこう言ってしまった。

「誰か…助けて…」

助けてほしいけど、今いる場所は自分とサカキしかいない。助けを呼んでも、誰も来ない。サカキは楽しそうに、笑みを浮かべるだけで、私の足は一歩も動けない。怖くて。動きたいけど動けない体になってしまった。サカキに植え付けられた。小さいころから、ずっと…。


■筆者メッセージ
今回は短いです。
アラン ( 2016/01/01(金) 21:50 )