1話
そのまま、ぶつかった相手は、どこかへ見失い、叫んだ相手は自分を見つめて、手を差し出していた。
「大丈夫?怪我してない?」
「あ…はい。怪我はしてません。ありがとうございます」
ファイアはお礼を言うと、相手はウインクさせて
「アタシはカスミ。ジム戦したいんでしょうけど、あいにく今は出来ないのよ。さっきの連中にポケモン取られちゃって」
と、言った。
「俺、ファイアです。さっきの連中は…」
ファイアは途中で言葉を止め、カスミが真剣な顔でこう言った。
「ロケット団ね。あーあ。私はついてないなぁ、私のポケモン取られるんだし…」
ロケット団の事を言うと、両手ダラーんとさせて、悲しそうに言った。
「………ロケット団は、どこに行きました?」
「多分、24番道路よ。あぁ、それと、貴方の名前聞いて分かったわ。リーフってこの行方、探してるんだってね。タケシから聞いてるわ」
カスミが言うと、ファイアの目付きが変わった。
「何か分かりましたか?」
カスミは少し、黙ってからゆっくりと口を開いてこう言った。
「彼女はロケット団、ボスの部下よ」
「…………!」
ファイアの顔が驚きと、不安の顔になっていった。ふらふらとよろめいてから、彼はこう言った。
「そうか……そうだったんだ…」
「ちょっと!しっかりしなさい!」
カスミが足がよろめいて、今にも倒れそうなファイアを支えてそう言った。彼的に、精神的ダメージの方が大きいのだろう。ファイアも悩んでいた。どうして、居なくなったのか。けど、今分かった。ロケット団員になって、ポケモンを、人を…痛みつけて悪党になるって……何を彼女を変えたのか、俺にはよく、分からない。理解をしたら、いけない気がする。そう、思った。
「俺……そのロケット団員を追いかけます…ありがとうございます、カスミさん」
そう彼は言ったが、
「ダメよ、あんたまだ…」
だが、ファイアはカスミの手を払って言った。
「俺は……!知らなきゃいけないんだ!」
そう言ってカスミが言った24番道路へ走って行くのであった。
〜2〜
お月見山の入り口に居る、ロケット団員を倒したグリーンは、リーフとファイアの事を気にしながら、ハナダシティにユリーカと共に目指していた。
「はぁはぁ……これで、全部か。ったく厄介な連中だぜ」
息を切らしているグリーンを見つめて居るユリーカは、言った。
「ほらほら!もうすぐだよ!グリーンお兄ちゃん!」
「わ、分かった分かった、今いくよ」
そう言って、入り口を抜けて、ハナダシティに続く道路へとでた。そのまま、ハナダシティへと行くと、カスミと、もう一人立ってい
た。ユリーカはその相手を見ると走って言った。
「お兄ちゃん!!」
「ユリーカ!!良かったぁ…心配したんですよ?」
お兄ちゃんを見つけて、ユリーカは兄に抱きつく。
「貴方がユリーカを、ありがとうございます。僕はユリーカの兄、シトロンです。宜しくお願いします」
「あ、あぁ。俺はグリーンだ。宜しく、シトロン」
シトロンがお礼を言うとグリーンは戸惑いつつ、挨拶をした。彼は横を見る。と、隣に女性が立っていた。服装は、水着姿で水着を着た上で、上着を身に付けていた。彼女はグリーンを見つめて、口を開いた。
「貴方がグリーンね。アタシはカスミ。さっきまで、ファイアと話をしてたけど、あの子ふらふらしてたわよ。止めたけど、24番道路へ行っちゃったから。それと今アタシはジム戦は、出来ないわ」
「なんだと!?」
ジム戦が出来ないのは何か理由があるかもしれない、けど俺はファイアの事を気にしていた。
「ファイアは、24番道路へ逃げたロケット団員を追ってる。私が、ジム戦が出来ないのは、ファイアが追ってるロケット団員にポケモンを奪われたから。それが理由よ」
そう言われ、黙ったままうつむき、唇を噛むグリーンは24番道路へ走って行った。すると、シトロンが叫んだ。
「ちょっと!どこ行くんですか!?」
彼はシトロンを見て言った。
「俺はファイアを追いかける!」
そう言い残して、ファイアを追う、グリーンで合った。