ポケットモンスターFR・LG〜三人の旅〜 - 短編
ブラッキーの左目
元々はイーブイだったが、ブラッキーに進化した。え?左目が…気になるって?ハハッ…大したことないさ。だけど、少しだけ話してもいいかな。俺の話を……。








リーフが連れ去られて七日目、俺はファイア達と一緒にいた。そう、リーフと離れ離れになったんだ。だけど、イーブイのころにもらった月のネックレスを大事にしていた。これを持っていたら、近くにいて会話をしているような気がして。俺もファイア達と一緒にリーフを探していた。そう、俺の親を。だけど見つからなかった。そんなある日、俺を襲ったポケモンがいた。

「こ、このポケモンは!に、逃げるぞ、ファイア!イーブイ!」

グリーンが叫んだ。逃げたら、街が襲われる。だから、俺は逃げない。

「おい、イーブイ!」

「ブイ!ブイブイブイ!!」

何を言っているのか、きっとわからないだろう。リーフが居れば、分かるはずなんだけどな。けど、俺は、俺の両親はもともと読心術を持っていた。だから人間の言葉が唇だけが動いていても何を言っているのか、分かっていた。そう俺は、ファイアとグリーンに向かってこう言ったんだ。

『今逃げたら!街が危険になる。だから逃げない!!』

ってね。トレーナーや人間は分かってくれないのは分かっている。だけど、逃げたら襲われるのは確かだ。だから、俺が倒さないといけないんだ。このポケモンを!このポケモンは聞いたことがある。確か、リングマだ。どうしてこの地方にいるのかは謎だけど、たおさなきゃいけない。

「ブイィィィ!!!」

俺は時間稼ぎをした。リングマの攻撃を避けて。

「うっ!うぁ…うぁああああああ!!!」

左目が…大きな爪で切り裂かれた。トレーナーにとっては絶叫でしかない。もちろん俺も。痛みでおかしくなりそうだ。痛みで気持ち悪い。誰か、誰か俺を…助けてくれ。俺を…。そのまま俺はリングマがどこかへ歩いていく姿をうっすら見て、意識を無くした。




〜2〜

「ブイ…イー……ブイ!…しっかりしろよ!イーブイ!!!」

誰かが俺の名前を読んでいる。この声は…グリーン?オーキド博士がファイアに何か言っている。

(イーブイの左目は大きな傷で……開かない?見えない…)

そう、唇を動かしていた。………そうか、俺、街の人たちを守ったのか…守れたのなら……俺はそれでいい。左目なんてくれてやる…皆を守れるのなら…それでいいんだ。

「は、博士!イーブイが!」

「何じゃと!?イーブイ、しっかりするんじゃ!」

まだ、意識がもうろうと…する。そうか、ファイア達が、街の人に知らせてくれたんだ。だから、俺はかろうじで生きてるのか…ありがとう、ファイア、グリーン…。

お願い…だから、少し寝かせてくれ……

俺は少しだけ、眠りについた。


仲間や友達が傷つくなら、俺が守って見せる。命に代えても。だから、悲しまないでくれ。もう一度リーフに会って、お話ししたい。声を聴きたい。だから、俺は死ねないんだ。今度、リングマにあったら、覚悟しておけと思った時でもあった。


俺が生きている限りは、必ず守って見せるよ…必ず。

アラン ( 2016/05/04(水) 00:33 )