名探偵キュウコン2〜スナイパークライシス〜 中編 2
「バクフーン…!!久しぶりじゃないか!」
ウインディはバクフーンの姿を見て、少し笑顔になった。
「射撃事件がもうあと、二件合ったって言いたいんでしょ?それは、ウインディから聞いたけど……」
「あぁ、調べて分かったんだが、この射殺事件は全員、探偵ってことだ」
「え…?」
キュウコンは驚いた声をだした。
「知らなかったのか?」
「そこまではね……」
「はぁ…はぁ…射撃した現場に行ったら、ガラスの破片が……落ちてたぞ」
息を切らしてゴルダックがバッグを持って現場に戻ってきた。
「10分……」
「え?」
キュウコンが呟いた時間を聞いて、今度はバクフーンが変な声をだした。
「走ってポケモンタワーに行ったとしても確実に10分掛かるのよ。それにスナイパーはバッグを持っていた。重さもあると思うから20分はシルフカンパニーに居ないはず。それにいつ、マネネがパソコンの前から立つなんて誰も分からないはずよ?それなのに、どうやったらマネネを立たせるのよ」
「……それもそうだが、なんでポケモンタワーの射撃した場所に破片が落ちていたのかって事だ」
ゴルダックはウインディにガラスの破片を渡したあと、望遠鏡でヤマブキシティのポケモンセンターの屋根上や、家の屋根上を見ていた。
「………っ!!ピジョットっ!!!」
突然、静まり帰っている現場で叫んだ。望遠鏡を投げ捨て、シルフカンパニーを出ようと勢いつけて、ガラスを割った。
「お、おいっ!待て!!」
ウインディが叫ぶも、遅かった。
「俺たちも行くぞ!」
そう言って、バクフーンとキュウコンはゴルダックが割ったガラスへ近づいてもうダッシュで行き、外へ落ちていった。
「お、お前らまで!!」
ウインディは驚きを隠せながらも言った。三びきが落ちていったガラスの方へ行き、場所を見てみると、ピジョットが倒れていた。
〜2〜
「おい!ピジョット!しっかりしろ!!」
バクフーンがピジョットを抱いて叫んだ。
「右胸に命中してるわね…しっかりして、ピジョット!」
ゴルダックは射撃された方向を思い出した。そして、上を見上げた。
「右かっ!!」
そう言ってゴルダックは右方向へ走り出した。
「ちょ、ちょっとゴルダック!どこ行くのよ!?」
「俺の事は良いから!ピジョットを頼む!!」
キュウコンが走るゴルダックに言ったが、ピジョットを頼む、と言って姿を消した。
「とりあえず俺はポケモンセンターに行く、お前は犯人を見つけろ。頼んだぜ、相棒」
バクフーンは、ピジョットを抱え、ポケモンセンターへ走っていった。残されたキュウコンはその場から動かなかった。
飛んで割れたガラス。飛び散って、毛に紛れ込んでいる…そして、狙われた探偵。でも、射撃するのなら、マネネの時と同じ方に右胸を狙うはず…スコープがずれたってこと?同じ犯人ならミスを犯さないはず…そういえば、ウインディから聞いたことだけど、50分いなかったポケモンがいると聞いた。50分居なかったポケモン、そして息を切らして帰って来たと、受付のポケモンが……。ははっ、そうか…そう言うことだったんだ。だから、バレなかったんだ。でも、証言がアナタを見逃さなかった用ね。残念だけど、私達の勝ちよ。
〜3〜
「ピジョットを頼む!撃たれたんだ!」
バクフーンはラッキーに言った。
「わ、わかりました!」
大急ぎでラッキーは他のラッキーをつれて、ピジョットを緊急手術した。
「はぁ…はぁ…やっぱり、ガラスの破片がある」
射撃した現場へ走ってやって来たゴルダックは息切れしながら呟いた。