名探偵キュウコン2〜スナイパークライシス〜 中編 1
シルフカンパニーの部屋でノック音が響く。二回、三回ノックするが応答がない。資料を持っているルカリオがドアノブをひねり開ける。開けると同時に名前を言う。
「マネネさん?」
部屋が暗くてよく見えない。電気をつけてマネネの視線へ戻すと突然、ルカリオは資料を落とした。
「マ、マネネさんっ!た、大変だ…!」
急いでルカリオは部屋を出てほかのポケモンや警察に電話した。
〜2〜
「射殺された…と考えていいはずだ。そうだろ?キュウコン」
警察のウインディがキュウコンに言った。
「えぇ…弾丸がガラスのヒビを割って彼女の心臓へ…ドカンとね」
でも、引っかかる。弾丸は彼女の心臓へ一直線立ったとしても、どうやってこの高さから弾丸を?下から彼女を狙った場合、斜めにガラスのヒビが入るはず…。考えていると、ゴルダックが言った。
「相手はスナイパーつまり、射撃手って、ことになる」
「どうしてそんなことが分かるんだよ」
ウインディの言葉にゴルダックが答えた。
「スナイパーは、狙撃銃を使ったんだ。じゃなければあんな遠くから完璧に命中なんて、出来やしない」
その言葉にキュウコンはハッとした。
そうか、射撃したのはあそこだ。じゃなければ不可能ってことになる。
「シオンタウンの、ポケモンタワー…狙撃銃なら、スコープが使える。距離も遠くても、行ける。そう、狙撃銃なら」
一年前の事を思い出した。あの忌まわしい連続殺人事件を。ペルシアンが射撃をできたと言うことを。
「シオンタウンへ行って、試してくれる?」
「あぁ、良いぜ。ウインディ、個々に、マネネと同じ物をおいてくれないか?あ、それとガラスから念のため離れておいてくれ」
「分かった、準備しておく」
そう言ってゴルダックは射撃銃のバッグを持ってシルフカンパニーを出た。
〜3〜
ゴルダックは走って、シオンタウンのポケモンタワーへ行った。
「……ガラスの破片?」
どう言うことだ?射撃手はシルフカンパニーにいる奴なのか?でも、走っても戻るのに5分はかかるはず…。行きと帰りで10分だとしても、引っかかる。
そう考えながらゴルダックは、狙撃銃を取りだし位置についた。スコープを覗き、確認した。
「………狙った物は逃がさねぇ…ぜっ!!」
最後の言葉と同時に引き金を引いた。
「ふっ…綺麗にガラスのヒビと一致。それに、心臓へ命中。音はここしか聞こえない。それに、打たれた相手は気づかない。割れたガラスの音と、倒れる音のみ。」
スコープで確認して呟いた。
「……痕跡はガラスの破片のみ…か」
ガラスの破片をハンカチの中に入れたあと、狙撃銃をバッグに入れてシルフカンパニーへ戻った。
〜4〜
パシュッという音が聞こえる。ウインディは音を聞いたあと、すぐさま、マネネと同じ形をしたマネキンに駆け寄った。
「命中してる…」
心臓部分を覗きこむとウインディは驚いたような顔をして言った。
「……」
「射撃事件、それなら俺は知ってるぜ」
考えていると、聞き覚えのある声が聞こえた。前に私と一緒に探偵をしていた相棒が今後ろにいる。