8話
さて、爆弾事件だけど…意図的に誰かが設置したとしても、いつ仕掛けられたかわからないし…とりあえず、聞き込みをした方がよさそうね…。
キュウコンはポケモンセンターをでて、考えてから街にいるポケモンに聞き込みを開始した。
「え?クチバシティのジムに怪しい人物を見かけなかったかって?」
おばあちゃんのポケモンのオニスズメが言った。
「えぇ。少しでもいいの、何か気づいたことでもいいから、お願い」
「うーん……」
オニスズメは思い出そうとした。
「………思い出した!小さいポケモンがジムに入って行ったわ。何か小さい機械を持って。でも、その小さいポケモンは良く見えなかったわ。ごめんなさいね」
「謝らなくていいわ、とてもいい情報よ!ありがとう!オニスズメさん!」
そう言って私はおばあさんとオニスズメにお辞儀をして家をでた。おばあさんはニコニコ微笑んでいた。
〜2〜
「傷も何とか治ったし…セキチクとふたごじまの間にある場所へ行くぞ」
ブラッキーはピカチュウとニドクインを連れて、ポケモンセンターを後にした。会話もなく、ただただセキチクシティに向かう三匹。セキチクシティにたどり着き、二匹はニドクインの背中に乗って波乗りをした。
「よし、ついた。あの小屋だな」
ブラッキーはニドクインの背中を降りて、呟いた。外は夜で海が月明かりできらきら輝いていた。
グリーンは二人を看病していた。
(そういえば、この二人、川に落ちて海に流されてここに来たんだっけ…。風邪引いても可笑しくはないか…)
そう、思っていると、外から足音が聞こえた。ざっざっざっと、砂を踏む音が聞こえる。ドアを開けるとそこにいたのはブラッキーとピカチュウと、ニドクインがいた。ニドクインの手にはフシギバナとカメックスが入ったモンスターボールが握られていた。
「お前ら……来てくれたのか」
グリーンが驚いた顔をしながら言うと、ブラッキーがうなずいた。
「二人は寝込んでるぜ。熱だしてぶっ倒れちまって。ブラッキーはリーフの看病してあげてくれ」
そう言われ、ブラッキーは頷いてリーフのそばへ行った。
「……」
唇だけを動かしたブラッキー。大丈夫か?無理はしないでくれ、と。
「ブラッキー……逃げて、戻って来てくれたのね…おかえり…」
ボーッとしているなかで、リーフはブラッキーに言った。
〜3〜
「……証拠が見当たらない…」
キュウコンは火を消したジム内の近くに立って考えていた。警察は現場懸賞をしている。一般人は入れないように、規制していた。
小さいポケモンとすれば、コラッタとかかしら。火事場泥棒って分けでも無さそうだし…証拠が消えてしまったのなら、この事件は未解決ってことになる…警察の話を聞きたいけど、ポケモンの言葉が分かる人なんてリーフ以外居ないし…。指紋が出ればいいけど…かなり黒く墨になってるから、指紋が出るのは難しそうね……事件は未解決…か。モヤモヤしちゃう…証拠が無いから犯人は捕まえられないし…ポケモンの言葉は分からない…仕方ない、ブラッキー達が戻ってくるのを待ちましょう。
考え、キュウコンは、ため息をついた。