名探偵バクフーン 三つ目の事件〜二つの事件と五匹の人物〜 中編
「はぁ…はぁ…おいっ!キュウコン!」
「ハァ…ハァ…何よっ!」
ものすごいスピードで走り、街や道路を走り抜ける。息を切らしながらも、二人は話しをした。
「サント…アンヌ号じゃねーだろうな!?」
「…私も、サントアンヌ号だとは、思うわ!…きっと、乗り込んでしまったのよっ!」
「ちくしょう………!」
走り続けて、やっとクチバシティへたどり付いた、キュウコンとバクフーン。ピジョットを探すが見当たらない。サントアンヌ号へ先に入ったのかと思い込んで、二匹も、サントアンヌ号へ乗り込んだ。
〜2〜
「おい!ピジョット!!何処にいる!」
バクフーンは船に乗り込んで、叫んだ。
「あの子、何処に行ったの?」
キュウコンは呟いた。
「手分けして探したって襲われるだけだ。二人で行くぞ!」
バクフーンの言葉にキュウコンは頷いた。廊下を走っていると、手に何か持っている者とすれ違った。バクフーンは、その瞬間を見逃さなかった。その人物に声をかけた。
「あの…」
声をかけると、そのポケモン達は振り向いた。すると、背筋が凍りそうなほどの冷たい瞳を向けた。
「………行くわよ」
キュウコンがそっとバクフーンの腕を握りながら小さく呟いた。
「っ……突然、呼び止めてすみませんでした…」
ちゃんと誤ったあと、そのポケモン達は、すぐさまサントアンヌ号から出ていった。以前止まっていた部屋へ二匹は入っていった。すると、バクフーンは椅子を蹴り飛ばした。
「アイツら…平気で何匹ものポケモンを殺してっ!なんなんだよ!あの冷たい瞳は!!」
「………あのまま首を突っ込んでいれば、殺されていたわよ私たち」
キュウコンが冷静に窓の外を見ながら言った。ガチャリと音が聞こえ、二匹はドアの方へ視線を向けた。ドアを開けたのはピジョットだった。ピジョットは苦しい顔をして、口を開いて言った。
「………コリンクが居なくなった」
「!?」
バクフーンは驚いた顔をした。そして言った。
「一緒に居たんじゃないのかよ!?」
「……居たさ。居たけど声が聞こえるっていってすごい勢いで走っていったんだ。追いかけたけど、見失った。色々と探しても見つからなかった。ここに来たらいるんじゃないかと思って来たけど…来てないようだな」
ピジョットが部屋を出ようとした。キュウコンが言った。
「待ちなさい」
その言葉でピジョットは足を止めた。
「………ボイスレコーダー」
その言葉に二匹は驚いた。