名探偵バクフーン 三つ目の事件〜二つの事件と五匹の人物〜 前編
グレン島のポケモンセンターからシオンタウンへ移動した三びきのポケモン。バクフーンはポケモンセンターでお茶を椅子で飲んでいる。
「……やっぱり、わかんねぇ」
お茶を机に置いたあと、呟いた。サントアンヌ号の地下室で手に入れたピース。ゲンガーが投げ捨てたピース。二つのピースを合わせてもアルファベットで何かの文字が書かれている。
「あ、あの……」
小さい声が聞こえた。横に振り向くと、小さな見たこともないポケモンが立っていた。
「ボ、ボク…コリンクって言います…妹を…妹を探してほしいんですっ!!」
大きな声で言われた。探してほしい。居なくなったのか、それとも…連れ去られたのか。どっちかはわからないが。とりあえず話を聞いた。
「コリンクさん、妹ちゃんはいついなくなったか…わかる?」
キュウコンが、優しい掛け声で聞いた。
「う、うん…四日前の…お昼から居なくなっちゃって…ずっと、探してるんだけど……」
「四日前………」
コリンクの言葉に疑問を感じるバクフーン。ただ、四日前の言葉だけを口に出した。
「………まさか…」
その言葉に、キュウコンが目線をバクフーンに戻して鋭い目つきで言った。
「そう、四日前は私たちが解決した、『サプリメント毒殺殺人事件』よ」
「その事件と、今回の事件と何か、関係でもあるっていうのか?キュウコン」
ピジョットはキュウコンに尋ねた。
「そこまではまだわからないわ。コリンクさん、四日前、どこにいたの?」
キュウコンはピジョットに言ったあと、目線をコリンクに戻して聞いた。
〜2〜
「ふふっ……」
不気味な声が聞こえる。ガタガタと、かご車が動いている。かご車にはストッパー棒が付いており、荷物が動かないようになっていた。特注品で一番下には、大きな段ボールがストッパーで止められていた。すると、かご車をもって、歩き出した。
「絶対に、解けない…完璧だ…」
小さく呟いて、その場から居なくなってしまった。
〜3〜
「ク、クチバシティって言うところ…に」
青ざめた顔をして、コリンクは言った。
「…………嫌な予感がする…」
バクフーンがつぶやいた。
「私と、バクフーンは走って行くわ。ピジョット、貴方はメガ進化して、コリンクを連れてクチバシティへ行ってちょうだい」
「分かった」
「あ…あぁ…行こうキュウコン」
一足先に、キュウコンとバクフーンはシオンタウンのポケモンセンターから出て、クチバシティへ向かった。