名探偵バクフーン 一つ目の事件〜一つの言葉と一つの命〜 前編
「ここは確か、クチバシティだな」
「あぁ、サントアンヌ号に行くぞ」
ポケモンセンターの前に下ろしてもらったバクフーンは、サントアンヌ号へ行くために走り出した。チケットはご主人から貰った。
橋を渡ると、見覚えのある姿が見えた。
「ふふっ…私を置いていこうったってそうはいかないわよ?バクフーンちゃん?」
「げ…キ、キュウコン!」
「わぁーモフモフだぁあああああ!!いやっふー!!」
ピジョットはメロメロになったっ!
「だめだ…早くこいつを何とかしないとっ…!」
苦笑いをして、呟いた。バクフーンはピジョットを見つめた。
「……っていうのは無いからな?キュウコンも連れていった方がいいと思うぜ?バクフーンちゃん?」
真面目にピジョットは言ったあと見つめた。バクフーンはホッとしながら、ため息をついた。
「……分かったよ。連れていくよ」
「ありがとうーバクフーンちゃん!」
キュウコンはバクフーンに抱きついた。
「うっ…!や、やめろ!抱きつくな!!それと、お前らっ!バクフーンちゃんって、呼ぶなぁああ!!」
バクフーンは叫んだ。
〜2〜
サントアンヌ号へ入ったバクフーンとキュウコンとピジョットは、指定された部屋へ入った。食事の時間帯になり、シェフが食事を持ってきてくれた。
「……」
「上手い」
「本当、料理は美しいわね」
三びきはそれぞれ別の言葉を口に出していた。食事を済ませると、それぞれ別行動を三びきはしだした。バクフーンは船内を徘徊。ピジョットは海が見える外へ。キュウコンは部屋から海を眺めていた。すると、
「いやああああああああっ!!!」
何処かの部屋から悲鳴が聞こえた。
「何っ!?」
「なんだ今の悲鳴!?」
「何、何なの!?」
三びきはすぐさま反応した。悲鳴が聞こえた部屋へ走る。部屋へ行く間に三びきは合流した。
「どうしたっ!!」
バクフーンはドアノブをひねり、ドアを開けて言った。
「あ…あぁ…」
叫んだポケモンは、怯えて体が震えていた。バクフーンは倒れているポケモンの側へ歩いた。
「………」
指紋がつかないように手袋をして、首筋を触り、バクフーンは小さく左右に首を降った。
「うそ…」
「チッ…」
何人ものポケモンが、口元に手を持っていく。ピジョットは舌打ちをした。キュウコンは目を細めている。
「これは、殺人ね」
「あぁ」
キュウコンの言葉にバクフーンは答えた。バクフーンはもう一言言った。
「傷も見当たらないし、首を閉められた後もない。つまり、食事の中に入っていた可能性が高いってわけだ」
その言葉に、回りにいた人は同様ばかりしていた。