ポケットモンスターFR・LG〜三人の旅〜














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第七章 温かい温もりを君に
5話
古びた日記を私は読み出した。サカキに二冊の日記帳を手渡され、そのまま家に戻ってきた。ファイア達が何をしているのかは知らない。けど、今は父の事が知りたい。まだロケット団員にいる頃、サカキに聞いたことがある。母親は死んだが、父親は何処かで生きていると。ロケット団員の中では、私の両親は死んだと広がっていた。父親の今いる場所を知りたい。いつか探し出してちゃんと言わせてやりたい。謝って貰いたい。ペラペラとページを捲る。一つのページに目を奪われ読むとこんな事が書かれていた。

「10月10日 曇り
リーフに注射器でポケモンと話せる薬を体内に入れた。すると次の日、ポケモンの声が聞こえると、私に泣きついてきた。実験は大成功。どうやら、リーフは妻にも言っているようだ。妻が私に何をしたと言っている。実験だ、と言うと離婚届を出してきた。離婚したらリーフを使えない。離婚なんてするものか!何がなんでもリーフは渡さない。絶対にだ。」

次のページを捲ると、次の日の事が書かれていた。

「10月20日 雨
どうやらサカキ様は、リーフを連れ去ってこちら側に連れてきたようだ。ふふっ、あっはは!私の実験のしがいがある!」

どういうこと?これ、全部父が書いたもの。でもサカキが私を痛みつけたことは一度もかかれていない。つまり…

「リーフは、父に痛みつけられていた…!?なんて、父親だ!ふざけやがって!」

いつから二人が居たのか知らないが、日記を見たらしい。目線を日記に戻して、考え込んだ。まさか、全部サカキじゃなくて父が私をずっと…!あのときの出来事が全部フラッシュバックした。じゃあ、ロケット団の黒幕は私の父親ってこと!?絶対に許さない。何がなんでも見つけて謝らせてやるわ!

「俺達、ジム戦再開したいんだけど…いいかな、リーフ?」

ファイアが言うとリーフは目線をファイア達に向けて言った。

「…いいわよ。アイツの手がかりを探すチャンスよ!」

そう言うとリーフはバックからジムバッチを取り出した。全部八個揃っていた。続けて彼女は言う。

「捕まってる時にってわけじゃないわ。ちゃんとサカキは、ジム戦に行かせてくれた。行きましょファイア、グリーン」

そう言って父親の日記帳とバッチをバックにしまい、家を出る。続いてファイアとグリーンも外へ出た。

アラン ( 2016/06/04(土) 23:11 )