ポケットモンスターFR・LG〜三人の旅〜 - 第七章 温かい温もりを君に
3話
リーフはあの時、拒んでいたことをファイアとグリーンを連れて自分の家で話し始めた。

「五年前…私はサカキ本人に連れ去れた。どうして私だけを攫ったのか、それはポケモンと話せるから。私のお父さんは元ロケット団だった事は、ファイアとグリーンは知らないでしょ?」

「……まさか、利用したって言うのかよ…実の娘を…」

グリーンがリーフの顔を見ながら震える声で言った。リーフは続ける。

「最初から私はポケモンと話せることなんてできなかった…。でも、突然ポケモンと話せるようになって、怖くなった。お父さんに言ったら、それはもう絶望的だったよ。信じてたのに、愛されてなかったことを知った時でもあったんだから。」

「リーフに…君の、お父さんは何をしたって言うんだ?」

今度はファイアが聞いた。

「…………」

リーフは何も答えない。言えない。父からも虐待を受けていたなんて。怖くて。思い出して、辛くて。言いたくない。あの時の記憶がフラッシュバックした。

「ごめん……」

リーフは誤った後、椅子から立ち、階段に上がって行った。二人は、一人にさせてやろうと、リーフの家を出て行った。

「………!」

リーフは拳を強く握って壁を殴った。

「やっぱり…話さなかった方が、良かったかな……」

薄暗い部屋、太陽がカーテンの隙間から光が差し込む。手の平に乗っているのはサカキからもらったジムバッジ。彼が、あの人が…ジムリーダーなんて信じられないけど…本当は優しい人なんだって、後から分かった。私の力を使いながらも、最初は優しくしてくれた。でも、あの時は分からなかったから。サカキから、私の父がロケット団の研究者だったって事も教えてくれた。なんで、お父さんは教えてくれなかったの?何で、利用したのか…聞きたいよ。教えてよ…お父さん。

「………そうだ」

ぽつりとつぶやいた言葉。そして、私は一階に降りて、外へ行った。

分からないのなら、聞けばいい。あの人に―

アラン ( 2016/06/04(土) 15:05 )