3話
リーフはあの時、拒んでいたことをファイアとグリーンを連れて自分の家で話し始めた。
「五年前…私はサカキ本人に連れ去れた。どうして私だけを攫ったのか、それはポケモンと話せるから。私のお父さんは元ロケット団だった事は、ファイアとグリーンは知らないでしょ?」
「……まさか、利用したって言うのかよ…実の娘を…」
グリーンがリーフの顔を見ながら震える声で言った。リーフは続ける。
「最初から私はポケモンと話せることなんてできなかった…。でも、突然ポケモンと話せるようになって、怖くなった。お父さんに言ったら、それはもう絶望的だったよ。信じてたのに、愛されてなかったことを知った時でもあったんだから。」
「リーフに…君の、お父さんは何をしたって言うんだ?」
今度はファイアが聞いた。
「…………」
リーフは何も答えない。言えない。父からも虐待を受けていたなんて。怖くて。思い出して、辛くて。言いたくない。あの時の記憶がフラッシュバックした。
「ごめん……」
リーフは誤った後、椅子から立ち、階段に上がって行った。二人は、一人にさせてやろうと、リーフの家を出て行った。
「………!」
リーフは拳を強く握って壁を殴った。
「やっぱり…話さなかった方が、良かったかな……」
薄暗い部屋、太陽がカーテンの隙間から光が差し込む。手の平に乗っているのはサカキからもらったジムバッジ。彼が、あの人が…ジムリーダーなんて信じられないけど…本当は優しい人なんだって、後から分かった。私の力を使いながらも、最初は優しくしてくれた。でも、あの時は分からなかったから。サカキから、私の父がロケット団の研究者だったって事も教えてくれた。なんで、お父さんは教えてくれなかったの?何で、利用したのか…聞きたいよ。教えてよ…お父さん。
「………そうだ」
ぽつりとつぶやいた言葉。そして、私は一階に降りて、外へ行った。
分からないのなら、聞けばいい。あの人に―