3話
奥へ進むと、見覚えのある人がそこには立っていた。
「レッド…さん?」
声を出したのはファイアだった。そう言うことか、だから皆俺達の事を知っていたのか。今ので全て納得した。
「…ねぇ、レッド。貴方がチャンピオン何でしょ?そこに立っているってことは」
「あぁ、そうだ。最後に君たち三人が一匹づつポケモンを出して、俺が三びきポケモンを出すバトルをしようと思うんだ。トリプルバトルって名前らしいけど。どうかな?」
レッドがそう言うと、ボールに入っていたポケモンを出した。ピカチュウ、ラプラス、エーフィ。ファイア、グリーン、リーフは、それぞれ最初に貰ったポケモンをボールからだした。
「どこまで貴方は知ってるの?」
リーフは、キクコと同じ事を聞いた。
「それはこの、バトルが終わったら話そう。君だけにね」
うまくまとめられた気がする。この戦いが終わったら、この旅が終わってしまうんだと思った。けど、私にはまだ歩まなければ行けない。ファイアとグリーンには少しだけ会えないけど。これは自分のためでも有るから。
「さぁ、最後のバトルを始めようか」
レッドが言うと三人は息を飲み込んだ。
〜2〜
「リザードン!エーフィにブラストバーン!」
最初っから手加減なんてするつもりなんてない。この戦い、負けたくないから。
「フシギバナ!ラプラスにハードプラント!」
まさか、最後に戦うのがレッドさんなんて、ドッキリなのか?でも、楽しいぜ、この戦い!
「カメックス!ピカチュウにハイドロカノン!」
元チャンピオンのレッドさんが何で、今になって?でも、見守ってくれていたのは事実。負けないよ、この勝負!
「ピカチュウ!カメックスにボルテッカー!。ラプラス!カメックスに絶対零度!。エーフィ!リザードンにサイコキネシス!」
手加減なんてしねぇーけど、三人、張り切ってるな。ま、全力で戦って勝つのはどっちか白黒決めようじゃねーか!
トリプルバトル何て、始めてだけど、私は俺達は前に進まなきゃ行けない。その為にも、レッドさんという壁を越えなきゃ行けない。この勝負、俺達が勝たせて貰う!!三人はリザードン、フシギバナ、カメックスに指示を送る。レッドも指示をだす。そして、レッドポケモンが三びき倒れ、ファイア達が持っているポケモンを三びき出した。
「なっ、なにこれ!?」
突然、ファイア達のポケモンが輝き始めた。姿が変わる。
「メガシンカ…か。想いが強くなって発動したか」
レッドが言った。リーフのリザードンは体が黒くなり、口からは青い炎が出ている。メガリザードンX。カメックスもフシギバナもメガカメックス、メガフシギバナになった。三人は笑みを出している。メガシンカした最初のポケモンと、メガシンカしていない最初のポケモン、どっちが強いか決めようじゃないか。
「リザードン!メタルクロー!」
「フシギバナ!ソーラービーム!」
「カメックス!水の波動!」
特性を生かした技を撃ってきたか。レッドの目付きが鋭くなった。
レッドは三びきに指示をした。
「リザードン、ブラストバーン!フシギバナ!ハードプラント!カメックス!ハイドロカノン!」
三びきは猛火、新緑、激流になっている。ギリギリの状態で究極技を撃った。
「……っ!」
四人は目をつぶる。煙と爆発で。煙が晴れると、リーフ達は目を開けた。
「リザードン…?」
自分のリザードンに声をかけた。残りの五ひきは力尽きて倒れていたが、唯一立ってメガシンカの状態で居たのは、リーフのリザードンだけだった。レッド苦笑いをしながら、ポケモンをボールに収めてリーフに歩み寄った。
「君たちの勝ちだ。おめでとう」
ファイア達も自分のポケモンをボールに収める。リーフのリザードンはメガシンカが解かれ、リーフがボールに収めて呟いた。
「お疲れ様…リザードン」
「流石じゃのお!」
聞き覚えのある声が聞こえた。後ろに振り向くと、博士がいた。
「オーキド博士…」
レッドが呟く。
「三人とも、おめでとうなのじゃ。レッドも、協力してくれて助かった」
オーキド博士は腕を組んで頷いている。何を頼んだかは知らないけど、楽しかったよ、このバトル。
「奥の部屋に、行くとしようの」
オーキド博士はファイア、グリーン、リーフを連れて、奥の部屋に連れていく。レッドはなにも言わずただただ見守っている。奥の部屋に行くと、いろいろなトレーナーとポケモンが取られている部屋に来た。
「この部屋は殿堂入りという部屋じゃ。旅をしたポケモンと、今まで旅をした記録がここに残る。さぁ、三人とも、この装置に置くんじゃ」
そう言われ、三人は一人づつ、置いていく。一人づつの記録がここに残される。色褪せない記憶となって飾られる。キョロキョロと見てみると、レッドさんのポケモンが記録されていたのを見つけた。グリーンがポケモンを装置に入れて、記録されると、オーキド博士が言った。
「本当に、おめでとう。そして、ありがとう」
そう言って、涙を流していた。