見知らぬ声
「─────……」
…ん?ここは…夢の中?にしては、かなりハッキリしてるし…
…感触もある。
「─────おい。」
「へっ!?」
こ、声!?誰?何処にいるの…?
「何ビクビクしてるんだ?お前の事だぞ。」
「え…あー…はい?」
いや、それは分かってたけど…と言うか誰?ここ、夢の中だよね…?
「…いいから、何も言わずに俺の話を聞いてくれ。」
ちょっと展開が急すぎて頭が回らないんですが…え?何?話を聞け…?よし、ここは素直に聞いておこう。
「まあ、説明するのが難しいから単刀直入に言うが…お前には、俺達の世界を救ってもらうことにした。いいよな?」
「えぇ!?」
世界を救う?というか、どんな世界かも分からないし、私には家族も友達もいるから、別世界にいって救うことなんて無理だし…
と言うか、そんな力ないからね?私には。
と言うことで、ここは断っておくのが一番。そんな大仕事、一般人の私ができるようなことじゃないもの。
「あー…えっと、嫌です。」
「はぁ!?」
怒(いか)るような声で、一声挙げる誰か。いや、本当に無理なんで…ハイ、すいません。
…そう言えば、『俺達の世界』って言ってたけど、何の世界なんだろう?人間のいない世界なのかな…行くつもりはないけど、ちょっと聞いてみよう。
「ふん…お前がその気ならば、俺も「すいません、その救うべき世界って、どんな世界なんですか?」
「っ──────!!」
あ、怒った。
「くっ…そうだな。それを言わなければ、救ってくれる訳もないよな。…俺達の世界と言うのは、『ポケモン世界』と呼ばれる、ポケモン達が多く生存する世界なんだ。」
「…………!!」
ポケモンの…世界…!
ゲームの中だけだと思ってた。アニメの中だけだと思ってた。でも…
本当に、あったんだ!
一度行ってみたかったんだ、ポケモンの世界!どうしようかな…世界を救うにも、そんな力もないし……うーん。
「…その様子から見て、行く気にはなってくれたようだな。じゃあ、またポケモンの世界でよろしくな。」
え?まだ行くとは──────
「一つ言うが、ポケモンの世界に一度でも入ると、使命を果たさない限り人間の世界には戻れないからな。」
早く言ってよ!と言うか行かないよ!
…あれ?言葉が…出せなくなって…
「んー…と言うことで、まあ、頑張れ。じゃあな。」
え、だから行かな───────
プツンッ
…ぁれ?意識…が……