星の停止を阻止せよ!
「2人とも準備は良い?」
菖蒲色の女が真剣な顔で残りの2人を見つめた。
「あぁ。」
「大丈夫だよ。」
私とパートナーの2人も同じく真剣な顔で頷く。
「最後に確認だけど千年以上の時渡りになるから、位置ズレが激しいわ。どこに飛ばされるか分からないけどそれでもいいの?」
「そこらへんはどうにかする。時間がない、行かせてくれ。」
「分かったわ」
菖蒲色の女が頷くと、門に一層強い蒼の光が集まった。
どうやらこれで門は開いたようだ。
「これで門は開いたわ、さぁ、ディアルガに見つかるまえに。早く」
「いつも手伝って貰ってすまない。必ず世界を変えてくる。あぁ、あと...アヤメ、これをやる」
そういって私のパートナーは菖蒲色の女、もといアヤメに翡翠色の宝石が真ん中にはめこまれたペンダントを首にかけてやった
「プレゼント...!?ありがとう!!
この宝石...翡翠色でとても綺麗ね!」
アヤメは嬉しそうに目を爛々と輝かせ頬を紅潮させながら小さな両手で顔を隠した。
相当嬉しいようだ。私の作戦は上手くいったかな。
....
もう二度とアヤメには会えないんだろうなぁ...
「じゃあ、アヤメ...行ってくるね...」
別れたくないなぁ...
「えぇ、無事を祈るわ」
短い言葉で別れを告げる
色んな想いが口から出てきそうになるのをこらえて
私とアヤメの会話を珍しく急かさず見ていたパートナーと一緒に
私は時の回廊をくぐった。