同じクラスの仲間達
ピカチュウはヨーギラスと校内に入り先生の誘導で体育館に入った。
(ここまで来ればもう大丈夫か。この学校、あんな不良が一杯いるのか。ハアア......。)
今後の学校生活に不安でたまらないピカチュウは大きくため息をついた。
アンノーン校長の話が終わりみんな別々のクラスへ
赴いた。
(ここが僕達のクラスか..........。気の合う友達を見つけられるかな............。)
ピカチュウは周りを見渡すとヨーギラスを見つけた。
「あ!、ヨーギラス君!。同じクラスだったんだね!。」
「おう、ピカチュウか。悪いけどあんまり話しかけんじゃねえぞ。」
(ガ、ガーーーーーン!。)
ピカチュウはヨーギラスに冷たくあしらわれてしまった。どうやら仲の良い友達にはなれないらしい。他にも友達になれそうなポケモンを探しているとミズゴロウを見つけた。
(確か同じ荘にいたポケモンだ.......。話しかけようかな........。どうしよう.........。)
ピカチュウが迷っていると他のポケモンがミズゴロウに話しかけた。どうやらフシギソウのようだ。
「よう!、ミズゴロウじゃん。相変わらずなに考えてんのか解らねえ
面しやがってよ!。」
「フシギソウく〜ん。同じクラスだったんだ〜。よろしくね〜。」
(しまった!。先を越されてしまった!。)
周りを見ればどんどん気の合う友達同士が固まってきていた。ピカチュウは輪の中に入れないでいた。至る所で笑い声が聞こえる。ピカチュウはどんどんが孤立していった。
ピカチュウが周りの雰囲気に押し潰されそうになっている時、誰かが肩を叩いた。
(わわ!。)
ピカチュウは驚いて後ろを振り返った。
「あ、ゴメン。驚かせちゃったかな?。私はシャワーズ。君は?。」
シャワーズと名乗るポケモンがピカチュウに話しかけた。
「僕!ピカチュウと言います!。よ、よろしくお願いします!。」
ピカチュウは緊張して敬語を使ってしまった。
「あはは、君、面白いね。小等じゃ見なかった顔だけど。」
「はい!、田舎の方から越してきました!。」
「へ、へえ、そうなんだ。まあ解らない事があったら何でも言ってね。それじゃあ。」
そう言うとシャワーズは他の輪の中に行ってしまった。ピカチュウは時が止まったようにシャワーズの方を見ていた。
(シャワーズさんか.......。何か頼りになるお姉さんみたいでかっこよかったな。)
そうこうしている間に担任の先生がクラスに入ってきた。
「皆さん。自分の席に座ってください。」
生徒の全員は席についた。ピカチュウの席は一番後の窓際の席だ。その窓からは運動場がよく見えた。
「おはようございます。私はポリゴン。この1年1組の担任を任されました。中等の生活は初めてかと思いますが、風紀を守って正しく.....................。」
ポリゴン先生はとても長話のようだ。ピカチュウは先生の話も聞かず斜め前にいるシャワーズの横顔を見ていた。ピカチュウの横にいるワニノコがそれに気づいていた。
(なんだ?、この黄色いネズミ野郎は..........。シャワーズの事じ〜っと見やがって。)
ポリゴン先生の話が一区切り付き学級委員長を決める事になった。
「さて、それでは学級委員長を決めたいと思いますが、立候補する方はいらっしゃいませんか?。」
シーーーーーーーーン
誰も手を挙げなかった。
「しょうがないですね。くじ引きで決めましょうか。」
ピカチュウは少し背筋が凍った。
(どうしよう.............。僕、くじ運無いんだよな........。)
ピカチュウの鼓動が早くなった。すると突然ワニノコが手を挙げた。
「はい先生!。俺はピカチュウ君が良いと思いま〜す!。」
「え?、えええええええええ!!!。」
みんなの視線がピカチュウに集まった。
(ニヒヒ.........。)
(ワニノコ君!!。な、何でえーーー!!)
ピカチュウはワニノコを見て心の中で叫んだ。
「ふむ、誰も立候補する方がいなければ、ピカチュウ君で決まりでよろしいですね?。」
『はい!。』
生徒全員が返事をした。ピカチュウは目の前がぐるぐるして混乱していた。声を出そうにも声が出なかった。それはワニノコの相棒、ズバットがちょうおんぱをしているからだった。
(い、嫌だああ!。)
ピカチュウは目に涙をためて今にも泣き出しそうになっていた。
(悪いなピカチュウ.......。助けてやりたいんだがな..........。)
ヨーギラスは見て見ぬふりをしていた。
「ふむふむ。それではピカチュウ君。今日から君が学級委........」「
ちょっと待った!。」
ピカチュウが委員長に決まりかけたその時、シャワーズが立ち上がり名乗りを挙げた。
「私が学級委員長になります!。」
シャワーズはピカチュウを助けた。ピカチュウはその潤んだ目でシャワーズを見ていた。
(シャ、シャワーズさ〜ん!。)
「そうですか。それではシャワーズさん。今日から君が学級委員長です。みんなを引っ張っていくんですよ。」
学級委員長はシャワーズに決まった。
「そしてワニノコ!。あんたが副委員長になるのよ!。」
「ええええええ!。何でだよオイ!。」
シャワーズはワニノコを副委員長に指名した。
「ほう、それではワニノコ君。君に任せるよ。」
こうして学級副委員長はワニノコに決まった。ワニノコは心底めんどくさいと思っていた。
そして休み時間。シャワーズがワニノコに言い寄っていた。
「ちょっとワニノコ!。あんたどういうつもりよ!。」
「お前こそ!、副委員長何かにしやがって!。」
シャワーズとワニノコがおでこをくっつけあって今にもバトルが始まりそうだった。
「まあまあ、ワニノコも、シャワーズも落ち着いて..。」
ヒトカゲが仲裁にはいった。
「ホントあんたって奴は!。昔からそうやって弱い者いじめして!。いい加減大人になりなさいよ!。」
シャワーズの説教が続いた。ワニノコはシャワーズのオーラに縮こまっていた。
時間は過ぎて放課後。ピカチュウはシャワーズにお礼を言うために門の前で待っていた。
「あ、来た来た!。ちゃんとお礼言わないと.........。」
シャワーズが門の前にいるピカチュウに気づいた。
「やあピカチュウ。今日は災難な日だったね。」
シャワーズはニコニコしながらピカチュウに話しかけた。
「シャ、シャワーズさん!!。さ、さっきは助けていただき、本当にありがとうございます!。」
ピカチュウは大きな声で言った。シャワーズは少し動揺して、ため息を一つこぼし、ピカチュウに言った。
「気にしなくて良いんだよ。あいつ(ワニノコ)は昔からの悪友で、ああやって弱いポケモンや自分より小さいポケモンをいじめたりしてる奴なんだよ..........。」
シャワーズは空を見ながら思いこがれるように言った。
「ひ、酷いポケモンなんですね.........。」
ピカチュウは地面を見ながら言った。
「いや.......。根は良い奴なんだよ。今日の事は許してやってくれ。」
「はい、わかりました.........。」
「それじゃあまた明日!。」
シャワーズは走って帰っていった。シャワーズの鱗が太陽の光でキラキラと輝いていた。ピカチュウはそれを見えなくなるまで見ていた。
「僕も帰ろう。」
ピカチュウもマチナカ荘へ帰っていった。
「ただいま〜。」
ピカチュウは誰もいない部屋に帰ってきた。誰もおかえりと言う相手はいなかった。
「ああ〜疲れた〜。もう寝よう。」
バタン
ピカチュウはベッドの上に倒れ、すぐに眠りについた。
真夜中の3時。ピカチュウは目を覚ました。
「んん〜。まだ3時か〜。」
ピカチュウは窓の外を見て、太陽が昇っていない事を確認した。
「あれ?、あのポケモンは........。」
マチナカ荘の前を1つの影が通りすぎた。イーブイだった。
「あのポケモン。また忘れ物かな?。」
イーブイは学校の方へ向かっていった。ピカチュウもカーテンを閉め、もう一度ベッドに横になり睡眠に入った。
続く→