Chapter 1 -大地に舞う幾多の翼-
Episode 5 -World of magic-
 月曜日。透き通るような青空が広がり、空に浮かぶアークでは、手を伸ばせば届きそうなくらい、太陽が大きく、そして近く感じられる。

そんな清々しい朝とは対照的に、休日を終えた多くのポケモンたちの足取りは重い。ポケモンの世界でもブルーマンデーはみんなの悩みの種のようだ。ただ一ヶ所、今日のえっこの部屋を除いては。


「ローレル、今日は登校初日だな。君が目を覚ましたことを連絡したら、ルーチェさんが手筈を進めてくれていたらしくてね。午前中は教師との面談とか、学校説明とかで潰れるけれど、午後からはクラスに合流できるみたいだ。」
「僕、上手くやれるでしょうか……。」

「相当な英才教育受けてた君は、勉強面の心配は要らないと思うけどな……。まあ、人間……じゃなかった、ポケモン関係に関しても心配は要らないだろう。アルバートが君と同じ学年みたいだから、困ったら頼ってくれってさ。」
「そうですね。やれることをしっかり頑張ってみます。」

ローレルは、えっこの言葉に対してどこか淡々と、しかし安心したかのような様子で答えた。

「では、そろそろ時間なので。」
「ああ、気を付けてな。」
ローレルはアパートの扉を開けると、外で待つアルバートのところへ向かっていった。


「さてと……。俺の方もそろそろ動き出さないとな。ルーチェさんがくれたバイト代も長くはもたないし、ダイバーの試験を受けなきゃだ。確か10時にローゼンさんと旧市街噴水前で待ち合わせ、だっけか?」
えっこは朝食のトーストを齧りながらスケジュール帳をチェックする。創世主が言っていたえっこが失ってしまったもの、それは恐らくローレルの感情なのだと推測していた。

無論、失ってしまった感情を取り戻す術はえっこには皆目見当も付かない。それでもローレルを連れてカルスター王国へ帰るその日まで、えっこはダイバーとして捜し続けたい。彼はそう強く願っている。








 2時間ほどして、えっこはローゼンとの待ち合わせ場所へ向かう。アークができた当初からあると言われる旧市街の街並みは、200年間変わらない姿を維持しているそうだ。

黄土色の簡素な石レンガ造りの建物の街並みは、控えめな印象ながらも日の光を受けて煌めいて見える。石畳の道のあちこちにオリーブの木が植えられており、街の景観と見事にマッチしている。
オリーブは強い日差しと乾燥に強く、摂氏35度の猛暑から0度の寒気まで耐える強さがあるため、空の上で寒暖差が激しく、日差しの強いアークでは街路樹として珍重されているのだ。

そんな美しい街を歩いていくと、開けた場所に大きな噴水があった。やはり旧市街最大のランドマークになっているらしく、多くのポケモンが待ち合わせたり休憩したりしている。


「あー、えっこだね!! こっちこっち!!」
えっこを呼ぶ小さな影があった。噴水の縁に腰掛けていたローゼンが、飛び降りてえっこを手招きする。えっこはローゼンの元に駆け寄った。

「すみません、待たせましたか?」
「いやー。こっちが早く着きすぎてたからねー。僕がいたザクセン連合国の人間ってやたら時間にうるさくってさ。集合時間より15分以上早く着く変な癖がついちゃった。」

「そ、そんなに早く……。カルスターの人間は割と平気で遅れてくるのに……。」
「まあ、ともかくダイバー連盟本部に行こうか。確か、新市街の北エリアだよね? ここからだと少しかかるね。」

二人は地図を片手に、クラシカルな街並みを抜けて、近代的な景色が広がる新市街の方へと抜けていった。










 「あなたが編入してきたローレルさんですね?」
「はい、ローレルと申します。17歳です。」
整った姿勢で椅子に座るローレルは、校長である猿のようなポケモン・ヒヤッキーに対して静かな声で受け答えした。常に笑った表情のようなヒヤッキー校長は、一層にこやかで明るい笑顔を向ける。

「よろしくお願いしますね、ローレルさん。さて、この学校なのですが、既に他の者より説明のあった通り、基本的には生徒の自主性を重んじた運営をしています。そのため、習熟度に合わせた授業がいくつも存在し、あなたが自由に選んで履修することとなります。」
「僕がいた学校とは大きな違いですね……。僕のところは、完全に固定されたカリキュラムをみんな揃って受けていましたから。」

「今ではその教育方式は古いものとなっているのです。現に我が校もこの自由履修のカリキュラムを導入してから、生徒の平均成績が大きく向上しています。この方式が、ポケモン一匹一匹の才能を伸ばしてくれるのですよ。」

ローレルは渡されたカリキュラム表をじっくりと眺め、ある部分を目にすると首を傾げた。


「あの、質問を一つよろしいですか?」
「ええ、何なりと。」

「ここに魔法学実践ってありますけど……。一体何をするんです?」
「ああ、それは魔導師や魔法使いを目指したい者が受けるコースですよ。実践授業では、実際に魔法を攻撃・回復・補助などに使用して戦闘に活用する術を教授します。」

その言葉を聞いて、ローレルがさらに深く首を傾げる。


「魔法って……ファンタジーの世界みたいな…。」
「おや、聞いたことはありませんか? 今の時代に珍しいですねぇ、メディアが発達してから、魔導師や魔法使いの活躍もあらゆる地方のあらゆる場所に、素早く伝わっているものと思いますが……。」

「魔法なんてものが実在するんですか?」
「ええもちろん。少し、離れていてください。」

ヒヤッキーの指示に従い、ローレルは少し後ろに下がった。ヒヤッキーは懐から小さな本のようなものを取り出すと、徐ろに椅子から腰を上げた。

「『フレイムスフィア』!!」
ヒヤッキーがそう唱えると、本の少し上に火の玉が現れ、しばらくすると燃え尽きてしまった。ローレルはその様子を見て、思わず目を丸くした。









 「あら、あなたたちは確か……。」ハリマロンの女性が、ダイバー連盟本部前でえっこに声をかけた。以前に見かけたときとは違い、黒のケープに、青と緑のツートンカラーのマフラーを身に着けている。


「あなたはあのときの…!! あのときは助けていただいてありがとうございました。」
「ううん、当たり前のことをしただけ。それより二匹とも、アークで暮らし始めたのね。」

「ええ、俺もローゼンさんも新居が見つかって……これからダイバー試験を受けようかと思ってます。」
「えっ!? ダイバーになるの!? 何もこんな危ない仕事選ばなくたって……。」

「ルーチェちゃんに勧められてね。僕らならやれそうだしってさ。」
「うーん……。ルーチェさん、めちゃくちゃ言うんだからぁ……。」

ハリマロンの女性は、顎に手を当てて考え込む素振りを見せた。と、そこに別のポケモンが駆け寄ってくる。


「どったのメイ? この二匹は知り合い?」
「ええ、この間『戻らずの森』のレギオンを倒しに行ったとき、救助したポケモンなの。というか、正確には彼らがレギオンを倒したというか……。」

「はぁ!? 一般ポケモンがレギオンぶっ倒したのかよ!! 嘘だろ!?」
「それが本当なのよ……。どうやったかは知らないけれど、彼らが確かにレギオンを倒した。しかも、自分たちはポケモンに姿を変えられてしまった人間だって言い張ってて……。」

大きな耳を持つポケモン・テールナーが不思議そうにえっこたちを覗き込む。テールナーは普通は魔女っ子のような可愛らしい姿をしているのだが、彼に関しては筋骨隆々としていて、炎の灯った枝の杖の代わりに、巨大な丸太を担いでいた。


「んー? ニンゲン、ねぇ……。どっからどう見てもポケモンじゃん。」
「もう、失礼でしょ、マーキュリー!!」

「あはは、ごめんごめん。あんたらも気を悪くしないでくれ。俺の名前はマーキュリー。このハリマロンのメイの弟だよ。」
「ぜ、全然違うポケモンなのに姉と弟……!?」

「私の家族、父が私と同じハリマロンで、母がフォッコなのよ。マークは母の血が濃いからフォッコとして生まれて、進化してテールナーになってる。マークの下にもう一匹弟がいるわ。私と同じハリマロンで、アーク高校に通ってる。」
「えっ!? じゃあローレルと同じ高校に……!?」

メイの説明に驚くえっこ。一方でマーキュリーはどこか気に食わなさそうな様子だった。


「『カザネ』の野郎、楽器マニアのガリ勉で、しかも何か態度が鼻につくんだよなー、あいつ。」
「全く……そういうこと言わないの。ちょっと真面目すぎるとこもあるけど、とてもいい子よ。あなたのところにも高校生がいるの?」

「ローレル、この前意識を失っていたピカチュウです。今日から学校に通い始めました。」
「意識を取り戻したのね!! よかったわ。」

「ありがとう、でも彼女は感情を失ってしまった……。人間からポケモンになったからなのか、既に人間としては命を落としているからなのか分かりません……。でも、ローレルは変わってしまった……。」

えっこはふとローレルのことを思い出して沈み込んだ表情を浮かべた。しかし、マーキュリーがそんなえっこの背中を叩く。


「何か事情はよく分かんないけどさ、そうくよくよすんなって、な? あんたにとって大切な相手なんだろ? じゃなきゃ、そうも真剣な顔色しねぇわな。」
「ええ、ローレルは俺の大切な人です。例えこの身に代えても助けたい。」

「なら、やれることを精一杯やるだけだ。そうすりゃきっと、ローレルだってまたあんたの知るローレルに戻る!! 俺は信じてるからよ。」
「ありがとう、マーキュリーさん……。ちょっと元気が出ました。そういえば、ローレルはどうしてるんだろう……。」

えっこは少し肩の荷が軽くなる感覚を覚えた。同時に、高校に行っているローレルのことをふと気にかける。










 「す、凄い……。これが魔法……。」
「私も元々は魔法使い協会の出でしてね。あの程度のことなら、息をするように容易くできますよ。」

ローレルはヒヤッキーの持つ小さな本を注視していた。表紙には、ローレルの知る世界の言葉でもなければポケモンたちの言葉でもない、不思議な造形の文字が書き込まれていた。


「これは『魔導書』ですよ。書いて字の如く、これを媒体にして魔法を発動します。古代の言葉で書かれていましてねぇ、全てを解読することは不可能とまでいわれています。」
「魔法って、僕にも使えるようになるものなんですか?」

「ええ、適性さえあればね。魔法とは、我々の身体に宿る生命エネルギーの一種である魔力を使い、魔導書や魔杖を経由して形あるものに変換する術のことです。」
ヒヤッキーはそう語ると、魔導書を再び開いた。


「例えばここに書かれた古代文字の呪文は、生命エネルギーを炎の玉に変える力を持っています。だから詠唱すれば、先程のような現象が起こるのです。」
「私のこの大きな杖は『魔杖』と呼ばれているの。普通、魔法は魔導書という本で発動するのだけど、あれはいかんせん魔力の変換効率がよくなくてね……。この魔杖は高い純度で魔力を魔法に変換してくれる。」

「それなのに、何故魔導書使いが多いんだい? わざわざ変換効率が悪い方を専門にするのもおかしな話だと思うけど……。」
「この魔杖は、変換効率がいい代わりにとても扱うのが難しいの。呪文という定まったフォーマットに沿わず、自分の力で魔力をコントロールして形にできなくちゃならない。普通のポケモンがいくら頑張っても、まともに使いこなせる代物じゃないわ。」

所変わってダイバー本部の1階ラウンジ。オープンスペースになっているこの場所では、ダイバーたちに依頼を説明する依頼主のポケモンや、仕事の合間に一息入れるダイバーたちで賑わっている。
そのラウンジのソファに腰掛けて、えっことローゼンも、メイから魔法についての説明を受けているようだ。


「魔導書なら、何とか俺たちでも扱えたりするんでしょうか?」
「うーん、そればっかりは保証できないかな……。ポケモンそれぞれの魔力には個性がある。それは適応する魔法属性はもちろんなんだけど、そもそも魔法に変換しづらい質のエネルギーを持つ者もいるわ。」

「俺とかそーだよ、魔導書でもまともに魔法が出せねぇんだ。別に死にかけで生命エネルギーがない訳じゃなくて、単に質の問題らしいんだよな、メイが言うにはさ。」
マーキュリーがオレンジジュースをストローで啜りながらそう補足した。一息でかなりの量を飲んだらしく、すぐにズズッとストローの独特の音が聞こえた。









 「それと、確か校長先生は古代文字なんて詠唱してませんでしたよね? 普通に魔法の名前を読み上げただけに思えましたが。」
「それは『即時詠唱』を使ったんですよ。魔導書を使う際には『通常詠唱』と『即時詠唱』の二通りがあります。」
ヒヤッキーは、魔導書を懐にしまいながらローレルの問いにそう答えた。


「私みたいな魔杖使いには使い分けも何もないんだけど、即時詠唱はとても便利なの。特定の単語、例えばベタだけどその魔法名を叫ぶことだったり、魔導書を上に掲げることだったり、何か特定の動作に紐付けて発動させることができるわ。」
「まあ、ただでさえお粗末な変換効率がさらに悪くなるんだけどな。あー、でも動作に反応することを利用して、魔法地雷とかも作れるぜ。うちの親父がよく使う代物だ。」

「魔法地雷? 触れたら発動するということですか?」
「その通り。魔導書のページに相手が触れた際に起動するようセットしておけば、まるで触ると爆発する地雷や機雷のようになるわ。その場合は、主に小さくて見えにくい魔導書が使われるの。」

メイが小さなメモ帳のようなものをテーブルに置いた。そこには小さな字のようなものが書き込まれている。

「試しにそれに触れてみて。大丈夫、痛くはないから。」
「んと、こうやって? …………うわっ!?」
えっこがメイの置いた紙に恐る恐る触れると、そこから小さな細い植物のツタが生えてきた。

「こうやって、触れた瞬間に起動できるようになってるって訳。良くできてるでしょ?」
「これは中々面白いね、戦術に使えそうだ。」
ローゼンがツタの生えた小型魔導書を興味深そうにまじまじと見つめる。


「それから、ついでですから魔法の『属性』と『等級』に関してもお話しせねばなりませんかねー。お話が長くなってしまいましたが、聞きますか?」
「ええ、是非とも。お願いします。」

ローレルはヒヤッキーの問いかけに対してすぐに頷いた。ヒヤッキーはその言葉を受けて、一枚の紙に星型の図を書いた。5本の線はそれぞれの頂点に向かい、一方通行の矢印となっている。矢印を辿れば、丁度星型が一筆書きできる形だ。


「魔法属性は、大きく分けて『理魔法』とそれ以外とに分けられます。理魔法とは、この自然界を形作る5つの属性です。それぞれ木、火、土、金、水となっています。」
ヒヤッキーはそう説明すると、それぞれの頂点に5つの属性を書き足した。


「ポケモンのタイプ同様、魔法属性にも相性が存在します。具体的には『相剋(そうこく)』と呼ばれる現象で、ある属性が別のある属性を一方的に打ち消す力を指します。」
「ええと、つまりは特定の属性には特定の属性で対抗できると。」

「その通り。水は火を消し、火は金を溶かし、金は木を切り倒し、木は土から養分を吸い尽くし、土は水を堰き止める。これが相剋の相性関係です。」
ヒヤッキーが説明した内容と、各属性の矢印関係が一致している。例えば、水の矢印は火に向いており、これは水属性魔法が火属性魔法に強いことを示す。


「また、我々ポケモンという意思と知能を持つ存在が作り出したのが、自然に元々存在しない属性・白魔法と黒魔法です。これらは理魔法の相剋から独立し、打ち消す属性が存在しないものとなっています。」
「白と黒……一体どんな力を持つんですか?」

「白魔法とは、ポケモンの喜びや祝福など、正の感情が生み出したもの。具体的には、傷や身体の不調を癒やしたり、能力を一時的に上げたりする補助・回復に特化した効果を持つ傾向にあります。」

「そして黒魔法は、ポケモンの怒りや憎しみなどの負の感情の産物……相手の能力を下げたり、幻覚に陥れたり、生命力を吸い取ったりと他では見られない効果を持つわ。強い負の感情を利用する分、術者にかかる負担もとても大きい危険な魔法よ。」
「うちの親父は世にも珍しい黒魔法使いだぜ。白魔法と黒魔法を使える奴は限られてるんだが、親父は特に黒魔法の扱いに長けてるらしい。まあ負の感情といっても、親父は決して悪用したりはしない。逆にあの危険な代物を正しく扱う方法を探ってるんだ。」

マーキュリーが少し退屈そうに、ストローでグラス内の氷をコロコロとかき混ぜながら説明した。


「そして魔法等級にも注意しなきゃダメよ。等級が高ければ高いほど威力や効果が強いけど、その分強い適性が必要になる。」
「適性ねぇ……それはどうすれば分かるのかな?」

「扱える属性や等級は、MTPと呼ばれる小さな紙を使えば分かるわ。適切な属性ならばその紙に変化が出て、等級レベルも表示される。基本レベルは1~9の9段階よ。レベル9が使えるならば、最高レベルのアルティメットスペルというものも使える。まあ、あれは重要歴史遺産級の代物だから、まず使うことはないと思うけど……。」

メイはそう説明すると、ケープの首元に着けた懐中時計を見た。


「あら、もうこんな時間。講義に行かなくちゃ。忙しい中長々と話し込んじゃってごめんなさいね。」
「いえ、とんでもない。魔法についてよく分かりました、助かりますよ。」

「んじゃ、俺も行くとすっか。ダイバーの試験受けるんだろ? それならまず会長と面談しなきゃならねぇんだ。仕事の説明とかを受けることになる。まあ、あれは試験じゃないから気楽に行きなよ。」
「このフォームに記入して受付に提出すればいいわ。多分面談は午後からになると思う。会長は今日午前は、うちの大学の講義で講師してたはずだから。」

メイは近くにあったビューロから申込書を取り出した。そこには名前や種族や職務経験など、様々な情報を記入する欄が設けられている。


「それじゃあ、頑張ってね!! 困ったことがあったらいつでも言ってちょうだい。」
「これが俺とメイの携帯番号とアドレスな。試験のこととかで相談があったら乗るぜ。ま、さすがにコネで受からせたりとかは無理だけどな。」

「メイさん、マーキュリーさん、ありがとうございます!!」
えっこは携帯番号などが書かれたアドレスを受け取った。メイは大学の方へ、マーキュリーはダイバー連盟本部のエレベータへと消えていき、えっことローゼンもフォームへの記入を済ませ、受付に提出した。

「えっこさんと、ローゼンさんですね。会長のマックスウェルは13時に戻る予定でして、恐れ入りますが1時間ほどお待ちいただいてよろしいでしょうか? お昼ですから、よろしければ2階の食堂のご利用をどうぞ。」
「そうさせてもらうよ、ありがとう。」

受付嬢のチリーンに書類を渡すと、ローゼンは鼻歌交じりに階段へと向かっていった。
これから先、どのような試練が待ち受けているのか、無事にダイバーとなることができるのか、えっこの表情は、能天気なローゼンとは対照的に強張っていた。


(To be continued...)

Aiccaud(えっこ) ( 2019/03/16(土) 13:58 )