第六話
ここは、山の頂上。
一見巨大な岩にも見える、なにかの繭。
「これは?」
ルオが触れると、それは光り、Yの形の破壊ポケモン、イベルタルとなる。
「ルオよ。我に何用だ?」
「う……そ、だろ……」
「ルオ、しっかり!」
その膨大なエネルギーに、ルオは圧倒された。レイがいなければ、尻尾をまいて逃げていただろう。
「あの、僕の力のことで…」
そう言うと、イベルタルは語り出した。
「その力は、我がお前に授けた力、幸にも不幸にもなりうる力だ。お前の両親のため、恩恵として授けた、巨大な破壊の力……」
そこまで言うと、イベルタルは少し間をあけて話した。
「この世界から離れた場所には、創造の力の持ち主もいる。彼の力とお前の力は対になっている。そして、双方の力を司る二つの"秘宝"と呼ばれる楽器が、力を制御する。この秘宝も、対…ルオ、お前にその片割れを授けよう」
イベルタルとルオの間で光が弾け、何かの楽器となる。銀に輝くそれは、姿を一つに留めず、コロコロと変える。
「ありがとう、イベルタル」
「礼には及ばん。当然のことをしたまで」
ルオとレイは、山を降りた。