第三話
いつものようにダンジョンを抜けた二人。
彼らは、"恋人"どうしとなっていた。
その彼らの前。
巨大な人形……巨人と言えるほど巨体の、ゴーレムに似たポケモン、ゴルーグが道をふさいでいた。
「うそ…」
「今までボスなんていなかったぞ…」
二人は戸惑う。が、村人も追ってくる今、早く抜けなければ。しかし…
(タイプ相性が……)
どれも効果が無いため、少しのダメージしか与えられないのがキツイ。だけど、贅沢は言えない。
「行こう、レイ!」
「分かってる、ルオ!」
戦闘が始まった。
「<電光石火>!」
「<波動弾>!」
二人が動く。レイが素早く敵に迫り、援護するように青い弾が動く。
が、ゴルーグの体をすり抜けるだけだった。
「あと何回やれば…」
<波動弾>は、何故か生まれたときから覚えていた、最も火力がある技。が、効かないんじゃしょうがない。
「グオオオオォォォォォォ……」
ゴルーグが吼え、力一杯地面を叩く。
<地震>だ。
「うわわっ!?」
「キャッ!?」
あっという間にHPは一桁。
「どうしよう……」
「……あれを使うかな………伏せて」
そういい、軽く目を閉じるルオ。
慌てて伏せるレイ。
「ふう……」
小さくいきを吐く。
「………てえっ!!!」
気合いと共に、"力"が周りに発散される。
<悪の波動>にも似た形。
この世のものとは思えない、巨大な力。
それが地を削り、木をなぎ倒し、ゴルーグを吹き飛ばす。
その力に、レイもルオも震える。
膝の震えが、止まらない。
これだけ力が強いと、怖くもなる。が、怖がってはいられない。
彼らはまた、歩き出した。