02
日曜日。この日は学校が勿論休み。当然教育実習生のモフも休みなのである。
そんな日にモフは何をするのかと言うと…
「モフちゃんごめーん!待った?」
「あっ、モカちゃん!ううん、全然待ってないよ。」
デートである。幼馴染みで彼女のニンフィアのモカと今日は隣町の映画館に行くのだ。モカとは中学校卒業と同時にモフが告白して以来の付き合いである。大学卒業と同時に結婚するのではという噂も立っている。
デートの会話は専ら教育実習についてである。愚痴をこぼしたり、ここが楽しいとか色んなことを喋ってる。
「やっぱりさ、こっちになってみてわかることって色々あるよね。どうやったら皆がわかるような説明ができるかなって考えたり、どうやったらわからない子にわかるような説明ができるかなって思ったり…」
「モフちゃんって生徒思いだね。」
「そりゃそうさ。折角授業してるんだ。わかるようになって家に帰って欲しいよね!」
「モフちゃん凄いね。あ〜あ。そんな話を聞いたら私もちゃんと授業聞いてたら良かったなあ。」
「ところでさ、なんとなく皆で集まりたくなっちゃった。モカちゃんは?」
「確かに!思い出話してたら会いたくなっちゃった。わたし達が幹事でプチ同窓会やろうよ!」
「そうだね!やろう!いつにしよっか?」
とまあ、中学時代の思い出話から同窓会についての話が盛り上がってきた。時刻は午後8時。2人でディナーを食べていたときの会話である。
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ちょうどその頃。ここは《星の里》の村はずれにある小さな小屋。そこに一匹のポケモンがいた。
「今日のターゲットはここだ。」
カバンから1枚の資料を取り出す。そこには《ニョロトノ邸 おうじゃのしるし》と書かれ、その下に見取り図と作戦プランなどが事細かに書かれていた。
そのポケモンは山高帽を被り、マントを羽織って仮面をつけた。その格好はまるで怪盗クロそっくりだった。資料をマントにしまうと、ターゲットに向かって夜の闇の中を進んでいくのだった。
月明かりに照らされて見えたそのポケモン――エーフィのアサヒだった。