07
「「…ぉぉぉぉぉおおおおおっ!」」
再び意識が戻ったとき、いつの間にか俺たちは十字架から脱出してた。
「コウキ!ミドリ!」
ヒカリがこっちに駆けてきた。そして、俺たちの胸に顔を埋めて泣いた。
「ねーちゃん、心配かけてごめんね。」
「悪かったな…」
「本当だよ!私、急に一人にされちゃって…」
そんなヒカリの頭を優しく撫でる。感動の再会だ。
かたやこっちでは一人おっかなびっくりな表情をだして怖気付いてる奴が。
「何故だ…理論は完璧なのに…」
ヨノワールだ。頭を抱えて一人でコンピュータを操作している。
「教えてあげるよ。どうやら僕たちの生命エネルギーよりも…ね!」
「ああ!俺たちの絆の力の方が強かったみてーだな!」
「くっ!まあいい。ここにはまだシステムが構築されています。あなたたちをもう一度あそこに掛ければこっちの勝ちです!行きなさい、ヤミラミ!」
ヨノワールの命令と同時に一斉に攻撃を始める。
「ゴウカザル、ブイゼル、準備はできてるかい?」
『『勿論!』』
「ハヤシガメ、ルクシオ、セレビィ、お前たちもいけるか?」
『『『OK!』』』
「私達もよ!エンペルト、ムクホーク!」
『『了解!』』
――っと待って!
エムリットの声がした…と思った刹那、俺の身体が白く光を放ち出す。そして気づいた頃には…
――こっちの方がいいでしょ?
『全くだ!』
目線の高さが低くなったのは癪だがまあいい。俺はジュプトルに戻った!
『それがミドリの本当の姿か?』
『なかなかいかすじゃない。ウチのダンナよりは劣るけどね。』
『ダンナって誰?』
『オイラ達は知らなくていい話!』
「…皆楽しそうだな。」
「逆にミドリがポケモンになっちゃったからあなたの言葉がわかんなくなっちゃったけどね。」
まあそこは気にすんな!
「さあ、気を取り直して皆いくよ!」
コウキの号令と共に散ってそれぞれがヤミラミたちとバトル。ヤミラミたちって言っても向こうはまだ人間の姿だから奴らの手持ちとだけど。
『最大パワーで[10まんボルト]!』
『こっちもだよ![リーフストーム]!』
『お前らなかなかやるじゃねーか!俺も負けてらんねー![リーフブレード]!』
初めてハヤシガメとルクシオを戦友として見て触発された俺は、得意技をかましてやる。
完全に俺たちの優勢である。あっという間にヨノワールの目の前に。
「さて。あとはヨノワールだけだよ。」
『観念するんだな。』
俺たちは勝利を確信したかの様にヨノワールに言ってやった。