04
そっから俺も十字架にかけられるのにそんなに時間はかからなかった。両手、両足を縛られて身動きがとれない。コウキと違いがあるとするならばまだ意識があることだろうか。
「ひとつ教えてくれ。俺たちをどうするつもりなんだ?」
相手を触発させてもこっちが不利になるだけ。穏便に尋ねた。
「貴様らの力を使ってディアルガとパルキアを復活させるのだ!っと、何で俺なんだ?って愚問をするな!それは貴様自身がよく知っているだろう?《未来からのやって来たジュプトル》さんよ!」
!?
「待て!な…何故お前がそのこ…」
「お喋りが過ぎてしまったようだな。始めるぞ。」
アカギが目の前のコンピュータを操作する。するとそれと連動してあちらこちらに置いてある大きなコンピュータが一斉に唸り出す。
ウィーンウィーンウィーン……
ディスプレイに明かりが灯り、下っ端もコンピュータの操作を始める。
その時、ヘリコプターから2人の人間が降りてきた。方っぽは下っ端…いや、リクヤだ!って事はもう方っぽの目隠ししてる方は…
「ヒカリ!?」
「この声は…ミドリ!?」
「お前大丈夫か?ケガは?」
「大丈夫…だけどさっきからずっと目隠しさせられたまんまで周りの様子がわからなくて…」
「ご苦労だった、リクヤ。小娘の目隠しを外してやれ。」
「了解しました。でも…」
ズドン!
「グハぁっ!!」
「えっ!な…何!?ちょっと!早く目隠しとって!」
「まあまあ。こんなところを女性に見せるわけにはいきませんので。」
それはほんの一瞬だった。気がついたら目の前で胸から血を流してアカギが倒れていた…。目の前で人が殺されるのを見るのは初めてだったから、思わず言葉を失った。
「ここまで私の踏み台になっていただきましてありがとうございました。でも、ディアルガとパルキアを復活させるのは私ですから。ちょっとここで死んでいただきました。あしからず。」
「リクヤてめぇ…」
いつの間にか俺の感情が怒りで満たされていた。
「さて、もうそろそろ私たちも元の姿に戻りたいですね。そうでしょう?ジュプトルさん。」
…ジュプトルさん?しかもさっきアカギに対して「踏み台」とか言ってた…まさか!
「ひょっとして…お前がヨノワールなのか!?」
「…勘が鋭いですね。その通りです。」