03
ポケモンセンターを飛び出してからどれだけ経っただろうか?俺たちはテンガン山内部の洞窟にいた。
内部は複雑怪奇な迷路。中々脱出できない。しかも、俺たちの行く手を遮るかの様に(ってかそうなんだろうが)ギンガ団の下っ端が次々と勝負を仕掛けてきた。皆を回復してあげられないし、俺自身もヤバイ。半ば絶望感に襲われていた。
そんな時だった。
『あっ!皆あれ見て!』
ブイゼルが指を指すその先にあったもの。それは微かながら、外から漏れる一筋の光だった。俺たちに希望を与えるのに十分過ぎるくらい。
『あれは…』
『でかした、ブイゼル!』
『流石じゃねーか!』
皆も口々にブイゼルを褒める。
「よし!皆もうひとふんばりだ!」
そう。出口が見えてきたのだ!そしたらもう頑張んねーと!
「ラストスパートだぁぁぁっ!」
俺たちは光の中に飛び込んでいった――。
って言ったら聞こえはカッコイイが、大して広くない出口に皆で飛び込んだのだ。だから結果としてこうなる。
「『『『『うわぁっ!!!』』』』」
すってんころりん バタン むにゅう
擬音語にするとこんな感じか。陸上を進んだメンバーは思いっきりずっこけた。
「イテテテ…」
『大丈夫?』
『まあ何とかな…。にしてもここが頂上か?』
「ようこそ、槍の柱へ。」
突然、空から声がした。聞き覚えのある声。そう。アイツの声。
「アカギ!」
「そっちから現れてくるとは有り難い。」
「うるせぇ!ヒカリとコウキはどこだ!」
「ああ。彼らはあっちだ。」
ボーマンダに乗って空から下りてくるアカギ。指をパチンと鳴らすと、辺りの明かりが一斉に点灯した。ようやく視界が広がったが、俺たちの目に入ってくる光景に言葉を失った。
「『『『コウキ!!!?』』』」
十字架に掛けられている1人の影。それはまさしくコウキなのだ!手足を縛られ、グッタリとしている。こっからだと意識があるかはわかんない。
「あの小娘には弟の逝き様をみせつもりだ。元々貴様にも見てもらうはずだったのだが、ちと事情が変わってな。」
そうアカギが言った瞬間だった。いつの間にか俺の背後にいた下っ端に右腕を掴まれた!
「やめろ!放せこの野郎!」
「放すものか。貴様にも《鍵》となってもらうのだからな!」