02
ヒカリが帰ってこない。昨日の夕食後出かけて行ったきりである。
今までもちょいちょい夜に出掛けることはあったが、それは自販機にジュースを買いに行くとか、街の名物を見に行くとかで出かけてもせいぜい1~2時間程度の話。今は日付を跨いで朝の7:00。明らかにおかしすぎる。
「ヒカリ帰ってこねーな。」
『朝まで帰ってこないって心配だなぁ。』
『何かあったのかな?』
チェックアウトの時間もあるので、やむを得ず飯を食っている俺ら。って言っても皆ヒカリの事が心配であまり食が進んでなかったが。
「とりあえず探しに行こう。」
食パンにかぶりつきながら俺は言った。皆もポケモンフーズを食べながら同じ事を思っているだろう。
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それから30分後。ポケモンセンターの外に出てきた。
「って言ってもどこから探せば…ん?」
テンガン山の方から見えてくるひとつの影。それがだんだんと近づいてくる…。
『ミドリ!皆!』
「ムクホーク!」
ヒカリのムクホークだ。
『大変だよ!ヒカリとエンペルトが拉致られた!』
『『ええっ!?』』
「拉致られたって誰にだ?」
『ギンガ団さ!』
ギンガ団…コウキだけじゃなくてヒカリまで!一体アイツらは…?
「わかった。お前はヒカリがどこに連れ去られたか知ってるのか?」
『ああ。オレがギンガ団員を追い払おうとバトルしてた時に後ろからヒカリとエンペルトを連れ去ったんだ。その後ヘリコプターでテンガン山の頂上へと向かって行った!オレもついて行ったけど、何かヤバイ事になってたからとりあえず皆に助けを求めに来たんだ。』
「そうか…。とにかく助けに行こう!ムクホーク、案内してくれ。」
『こっちだ!』
俺たちはムクホークの案内に従ってテンガン山の頂上へと向かって行った。
「待ってろよ!ヒカリ!コウキ!絶対に俺が助けてやる!」