01
それから更に10日後。俺たちはカンナギタウンにいる。クロガネシティ側からテンガン山内部に入ったはいいが、そっちから行くと最奥部に道が繋がってないんだということが判明。一旦東側に抜けてカンナギタウンからもう一回チャレンジする。
その間も俺はジム戦に挑戦した。トバリシティでかくとうタイプの使い手のスモモ、ノモセシティでみずタイプの使い手のマキシ、ヨスガシティでゴーストタイプの使い手のメリッサとの勝負に次々と勝っていった!
「10日でバッジ5個か。」
『オイラにはいいんだか悪いんだかよくわからないや。』
『コウキが8個集めるのに3週間掛かったからな。そんなもんじゃねーか?』
『回る順番も関係するんじゃない?コウキの時は先にクロガネジムに挑戦したじゃん。』
『次はミオシティだってヒカリが言ってたぞ。』
『ジムリーダーのトウガンさんはクロガネジムのヒョウタさんのお父さんだって。はい、8切って7渡しで上がり!』
『『『『「あっ!!」』』』』
夕食後、ヒカリは「行きたいところがある」って言って町へと繰り出した。残された俺たちは特別することなかったからトランプで盛り上がっていた。
このところ実感が全くなかったが、こうやって皆と接している俺自身もポケモンなんだよな、とつくづく思う。スゲー違和感を感じることが違和感っていうくらいニンゲン化してしまっている俺が悲しい。トランプも負けたし。
「なあ、組み手しようぜ!」
『組み手?』
「体術だけでバトルすんだよ。技を絶対に使わないからタイプによる相性もないし。」
『面白そうだな!』
『やってみよ!』
てなわけで、バトルフィールドへ行って早速やってみることに。
『喰らえ![ほのおのパンチ]風パンチ!』
「おっと!ほら!俺受けとめちゃってるよ!」
こうして見るとスゲー楽しい!久しぶりに身体を動かしたし、何よりもポケモンに戻れたような感覚がした。
「ほら!トドメだ!」
『うわあっ!』
ゴウカザルに一発蹴りを入れる、フリをする。それにゴウカザルは思わずバランスを崩してしまった。
『イテテテ…寸止めかよ!』
「ケガしたくないからな。しかし、やっぱりバトルは楽しいな。」
皆で感想を話している時だった。
ブロロロロ…
上空をヘリコプターが爆音をたてて通過していった。
「何だあれ?」
『さあ。でもやかましいよね。』
『ホントだよ。さあ。多分もうすぐヒカリも戻ってくる頃だろ。行こうぜ。』
その時は爆音の正体をあまり気にしなかった。これが最終決戦への幕開だったとは知らずに…。