05
再び目を覚ますと、そこは現代のクロガネシティ。っても俺にとっての現代の世界ってどっちのことだろう?
「この風景が200年であんなになっちゃうんだね…。」
「ああ。あんなの見ちゃったらなんとしてでも守らなきゃ…って思うよな。」
「何か思い出したの?」
「いや…。でも、俺はその為にこの世界に来たって思ったら、ジュプトルだろうがニンゲンだろうが決めたことを全うしてやるって思ったんだ。多分俺、そうやってこっちの世界で消えられたら本望だと思う。」
それは俺に課された使命だろう。
――腹はくくった?
「当たり前だ。だがその前に質問がある。」
どうしてもこれだけは知りたい。
「どうして俺とコウキは記憶を無くしてしまったんだ?」
俺の質問にちょっと顔をしかめたセレビィ。そしてひらりと俺の前に舞い降りて…
――ごめんなさい!!ボクのせいです!
「え?いや、その前に土下座は止めて顔を上げてくれよ…。」
俺はセレビィに土下座を止めるよう促すも、セレビィは頑なに頭を上げようとしない。本人が言うにはそれ相応の申し訳ないことをやったんだと。
――2人を時空ホールに送り出した後、後から追いかけていたヤミラミとヨノワールから奇襲攻撃を喰らったんだ。それで…思わず時空ホールから集中を切らしちゃって時空ホール内をめちゃくちゃにしてしまったんだ。それでコウキとミドリは記憶を無くしてしまって…更に2人を11年も離れた時代に送ってしまって…本当にごめんなさい!!
「もう気にしてないから顔を上げろよ。」
俺がそう言うと、セレビィは「へ?」って言いながら顔を上げた。
――気にしてないって?
「もうこうなっちゃったんだ。今更お前を責めたってなんも変わんねーん。そんなことより、どうやって未来を守るかを考える方が先決だろ? 」
「私もそう思う。過去の失敗を悔やむより次に進もう!」
――2人とも…。ありがとう。
「そんなことより、ヨノワールとヤミラミの事が知りてーな。何か情報ないか?」
俺の見た記憶にも出てきた。俺とバトルしているシーンだった。あれを見る限り明らかに敵としか思えないが…。
――アイツらの事はボクにもわからない。突然現れていきなり攻撃してきたんだ。
「そうか…。」
そりゃしょうがない。たださっきの話だとこっちの世界にいる様だ。
――あのさ、お願いなんだけど…ボクもこっちの世界で一緒に戦って良いかな?ミドリの決意を聞いて、ボクも自分の世界の事は自分でやんなきゃダメだ!
「ダメな訳ねーよ!むしろ事情を知ってるやつが居てくれてこっちは安心だ。」
「よろしくね!」
――うん!
という訳で、セレビィが仲間に加わった。
ちょうどその時、ドードリオの鳴き声が聞こえた。太陽が昇り、テンガン山を明るく照らす。200年後にもこんな景色を見れる世界を作ってやるんだ!