01
「ジム巡りしてみたら?」
翌朝、ヒカリに提案された。
「ジム巡り?」
「うん。ポケモントレーナーが強くなるうってつけの手段、て言えばいいのかな?私もコウキもジム巡りしてお互いにバッジを8個持ってるんだよ。」
強くなるうってつけの手段。俺はその言葉に惹かれて、その日早速やってみる事に。
「ゴウカザル![かえんぐるま]!」
『うぉっシャア!』
午前、ソノオタウンにほど近いハクタイシティのハクタイジムで草タイプの使い手・ナタネと対戦。幸先よく勝利!
「ハヤシガメ![ソーラービーム]!」
『了解!』
午後、ハクタイシティから南下してクロガネシティにあるクロガネジムで対戦。相手のヒョウタが岩タイプの使い手であることも功を奏し、ハヤシガメとブイゼルの零封リレーで勝利!見事1日でバッジを2個ゲットしたのである。
てなわけで、今はクロガネシティのポケモンセンターのベランダで反省会兼祝勝会。ミックスオレを飲みながら、というご褒美付き。
「皆お疲れ様!」
『久しぶりにバトルできて楽しかったね!』
『だな。ギンガ団じゃなくて、正々堂々と勝負できたのが嬉しいな。』
『オイラもバトルしたかったなぁー。』
『相性的にしょうがないさ。』
『それはわかるけど…。』
ハァ、とルクシオがため息をつくと、ヒカリがサイコソーダをルクシオに渡す。
「ため息なんかつかないで。これを飲んだら元気になるよ!」
『あ、サンキュー。』
「にしてもミドリすごいじゃない!1日に2個バッジをゲットするなんて。」
「ハクタイジムは草タイプだから戦い方っつーかやられ方がよくわかる。クロガネジムは逆に相性がいいから順調だったな。」
俺もここでサイコソーダに口をつける。と、辺りが急に明るくなった。見るとテンガン山の山頂付近を一筋の光が横切っていく。
「あ!流れ星!」
『願い事しなきゃだな。』
『次は絶対にバトルできますように!…ってあれ?』
1人デカイ声で願い事を叫んだルクシオが流れ星の異変に気づく。いや、多分ここにいる皆が気づいている。
「まさかな…。」
「まさかね…。」
『まさかなんだよな…。』
「「『『『流れ星がこっちにむかってる!』』』」」
流れ星が完全にこっちにむかって一直線なのだ!あんなのがぶつかったらひとたまりもねえ!
「皆手伝ってくれ!」
『『『おう!』』』
技で応戦する。その甲斐あってか、心なしか流れ星が減速している。そしてそれはピタッと止まった。その距離約1m。
しかし、安心したのも束の間。それはさっき以上に煌々と輝きをはなったのだ!
「うわぁっ!」
思わず顔をそむける。果たして、この光の正体は…。
――久しぶりだね!どう?順調?