04
「こっちには人質がいるのですが。」
リクヤが放った一言が、俺たちの思考をフリーズさせた。
(ひ…人質!?)
(まさか…そんな訳ないよね…)
(まさかな…)
リクヤが指をパチンと鳴らす。するとそこには見たくない光景が……
「こ…コウキ!」
「嘘だろ!?」
下っ端がロープを引っ張ってやってきた。そのロープに繋がれていたのは…コウキだった。
「一緒にいた子供はこっちですよ。」
それとは別に、1台の車からジュンが降りてきた。
「本当はあなたを拉致して我々の所の技術員として働いてもらおうと思ったんですけどね、それよりも収穫が大きかったですね。解放してあげましょう。お子様に会えてよかったですね。」
下っ端が親父さんをジュンの所まで連れていく。2人は泣いて抱き合った。あっちはひとまず一件落着。
問題はこっち。とうとうコウキが
向こう側の手中にはまってしまった。
「話してわかる奴等じゃねーしな。コウキ取り戻すにはバトルやるっきゃねぇ!ナエトル!コリンク![たいあた]…ん?」
ブロロロロロ……
どこからか音がする。
「アカギ様がいらっしゃった!敬礼!」
ギンガ団員はピシッと整列すると、乱れることなく全員が敬礼。
そこに、羽のついた黒い塊が降りてきた。ドアが開き、降りてきた人物。それこそが、コウキが嫌っている組織《ギンガ団》のボスである。
「こんな所で出会うとはな…アカギ…」
「久しぶりだな、アース。」
「その名前で呼ぶな。」
「極秘任務は御苦労だった。命令だ。明日から本部での任務だ。」
「嫌だ。僕は絶対にギンガ団なんかには戻らない。」
そりゃそうだ。あれだけ酷いことをした奴らだ。自分もその一員だったなんて考えたら戻りたくないのは当たり前。
「ほう。上官の命令に逆らうか…。まあいい。すぐに自分の意志でこっちに戻ってくる。」
アカギがそう言うと、下っ端が黒いケースを持ってきた。アカギはそのケースから《それ》を取り出すとニヤリと笑ってこう言った。
「お前に記憶を戻してやろう。」