03
「ナエトル![はっぱカッター]!コリンクは[ほうでん]!」
「エンペルト![ハイドロポンプ]!」
俺たちは襲ってくる警備のギンガ団員を次々に倒していく。向こうの攻撃パターンは大体一緒だからこっちもやりやすい。
「…ここかな?」
発電所の奥までやってきた。そこにドアは3つ。ヒカリは迷わず《係員詰所》と書かれたドアを開ける。するとそこにはロープで縛られた人が。
「大丈夫ですか?今ロープを解きますね。」
「君たちは…」
「通りすがりの旅の者です。そんなことよりもここから早く脱出しましょう。ミドリ、そっちはどう?」
ヒカリは手際よくロープを解く。俺は外の見張り。ギンガ団員は周りにいないみたい。
「大丈夫。出るなら今だ。」
「了解。行きましょう。立てますか?」
その人――ジュンの親父さんを介抱しながら外へと導く。途中襲ってくるギンガ団員の相手は俺。ナエトルとコリンクがそれぞれ3体まで相手に出来るようになったからやたら手早く進む。
「親父さん!もう少しです!」
「もうひとふんばりですよ。頑張ってください!」
入口に向かって全速力。あと5m…4m…3m…
「行っけぇぇぇぇ!」
俺たちがドアの外へと飛び込んだその先には…
「残念でしたね。」
「ここに来てこれかよ…」
発電所の外に居たのはおびただしいギンガ団員の数。その先頭にはリクヤが立っていた。
「クソっ!やるっきゃねぇ!ナエトル!コリンク!」
「エンペルト!あなたも!」
『『『了解っ!』』』
俺たちは戦闘態勢に入る。コリンクに至ってはすぐに[ほうでん]を繰り出せる様に身体中ビリビリ。
しかし、リクヤが放った一言が、俺たち自身も、コリンクのビリビリも止めてしまう程衝撃的だった。
「おっと。いいんですか?こっちには人質がいるのですが。」