02
駆けつけてみると、そこには昨日出会ったリクヤみたいな格好の奴らがいっぱいいる。
「ギンガ団の仕業かよ…」
コウキが見つかったら厄介なので、今俺たちは木の陰から様子を伺っている。これだけいっぱいいると、コウキに気づくだろうから、迂闊に動けない。
「お兄さんたちも発電所に家族が取り残されたの?」
「「「!?」」」
「ここだよ。多分お兄さんたちもこっちに来た方が安全だよ。」
声のする方…上を見上げると、そこには8歳ぐらいの男の子。木の上に登って俺たち同様発電所の様子を伺っている。
その子に言われた通り、俺たちも木の上へ上がった。なるほど、確かにこれなら姿が向こうから見えない。
「家族が?」
上がって早々ヒカリが尋ねる。
「うん。僕の父さんここで働いてるんだ。大きな爆発音がしたから来てみたら変な奴らがいっぱいいるし…。あ、僕の名前はジュン。」
「私はヒカリ。」
「僕はコウキ。」
「俺はミドリだ。よろしくな。」
軽い《じこしょうかい》をした。
それにしてもギンガ団はやっぱり酷い奴らだ。何が目的かさっぱり分かんねーけど何の罪のない人達を人質に取りやがって…。たらもうやることはひとつだ。
「なあ、中の人達を助けに行かねえか?」
「そうね!このままギンガ団の好き勝手にさせない!」
「早速行動開始だね!」
コウキが木から降りようとする。
「あっ!ちょっと待って。」
そんなコウキをヒカリが止める。
「コウキはギンガ団に狙われてるんでしょ?あっちた行っちゃったらあなたの身に何が起こるか分からない。」
「確かに。お前、ジュンと一緒にポケモンセンターにいた方が良いな。」
「そんな…僕だって戦えるよ!アイツらをぶっ潰す事だって…」
「コウキお願い!」
ものすごく行きたそうな顔をするコウキ。そんなコウキにヒカリが叫ぶ。目からは涙が流れそう。
「お願いだから…」
大事な弟と別れたくない、そんな姉の思いが伝わってくる。
「…分かったよ。」
ヒカリの思いが伝わったんだろう。しぶしぶ、と言うより自分の現実を受け入れた様に見えた。
それからコウキとジュンはヒカリのムクホークでソノオタウンのポケモンセンターに飛び立った。
「…私たちも行こ。」
俺たちも発電所の人質解放に向かった。