01
「おはよう。」
「あ、ミドリ。おはよう!」
翌朝、俺が目を覚ますといつもどおりに出発の準備をするヒカリがいた。
「ふぁぁぁ…おはよー。」
眠そうな目をこすりながらコウキも起きてきた。いつもどおりの朝の光景である。
――頼む。コウキを助けてくれよ!
昨日の夜、ゴウカザルに言われたこと。こんなに仲がいい2人を見ていたら、絶対に守ってやりたい。改めて感じる。
「俺がやらなきゃ!」
朝食の《しりある》を食べながら俺は決心した。
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午前中はヒカリの提案でソノオの花畑に行くことになった。ヒカリ曰く
「せっかくソノオタウンに来たんだから。」
だそうだ。
敷地内に入ると、あちこち至る所から花のみつの甘いいい匂いがプンプン漂っている。
「あ〜、いい匂いだ…」
『癒されるね〜』
この匂いくさタイプとむしタイプ好みの匂いなだけに俺とナエトルは思いっきり癒された。コリンクは苦手そうだが…
「私ね、前の旅をしていたとき、苦しくなったらよくここに来ていたんだ。ここに来て、いい匂いをかいで癒されて、そしたらもう気持ちが吹っ切れてまた頑張ろうって思えるんだ。昨日、コウキに辛いことが起こったでしょ。だからここに来てまた元気になって貰おうって思ったの。」
「ねーちゃん…ありがとう。もう僕は大丈夫だよ!」
ヒカリのはからいが通じたのか、俺にもコウキの気持ちが吹っ切れた様に見えた。アイツはギンガ団《アース》じゃない。俺たちの仲間の《コウキ》なんだ。
その時。
ドカーンっ!!
どこからか大きな爆発音が聞こえた。それに怯えたポケモンたちが逃げ回る。
「2人とも大丈夫か?」
「私たちは大丈夫。でも…一体何なの?」
「あっちだ!多分発電所の方からだよ。行ってみよう。」
癒しの気分は束の間。俺たちは発電所に向かって走り出した。