04
「ねぇコウキ。」
ソノオタウンに着いてポケモンセンターで食事をしているとき、やっとヒカリが切り出した。一方のコウキは「やっぱりな」という顔をしながら《らーめん》をすすってる。
「あの人…リクヤって言ったっけ。誰なの?」
ズルズルズル……
「あなたの部下だとか言ってたけど…」
ズルズルズル……
「……冗談だよね。そうだよね。」
ズルズルズル…ちゅるん
「……何か言わないとわかんないよ。」
もぐもぐもぐ……
「ねえ!聞いてるの?」
「うるさいなぁ!ねーちゃんは黙っててよ!これは僕の問題なんだから。」
「あなただけじゃない。私だってあなたの力になりたい。あなたは私の大切な弟だし…何より私たちは姉弟じゃないの!」
「だからだよ。」
えっ?とヒカリは聞き返す。
「このことをねーちゃんに言ったなら、ねーちゃんの命が危ないから…。ごちそうさま。先に戻っているから。」
そう言ってコウキは《でんぴょう》を《れじ》に持っていくと《かいけい》を済ませて先にポケモンセンターに戻った。
残された俺たち。ヒカリはただ呆然としていた。俺はその様子を横目に見ながら《ちゃーはん》を頬張っていた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
部屋に戻ってもだんまりが続いた。その空間に居づらくなった俺はポケモンたちを連れてポケモンセンターのロビーまで下りてきた。
「あー俺無理。」
『僕も。ああいうの得意じゃないんだ。』
下りてくるなり思い思い感想を述べる。
「そう言えば、ヒカリも言ってたけどアイツは誰なんだ?」
街で買った《みっくすおれ》を飲みながら俺はゴウカザルに尋ねる。
『…コウキの為にもあんまり答えたくねーな。』
「どういう事?」
ゴウカザルの答えは全く予想してなかったものだからすぐさま聞き返す。
「やっぱりあのリクヤってのが絡んでくるのか?」
『…………その…』
『わかった。ボクが言う。』
『!?』
切り出せないゴウカザルに代わって口を開いたのはブイゼル。
『お前…本気か?』
『ちゃんと言わなきゃ。でも、ひとつだけ約束して。』
「約束?」
『ここにいる皆も。他の人には絶対に言わないって約束して。勿論ヒカリにも。』
「…わかった。」
オレの返事とともにブイゼルが話し始めた。