06
役場から帰ってきて今4人は宿舎にいる。これから作戦会議をするところである。
「違うんだって…。全くの無策って訳ではないからさ。」
見るに耐えない姿のクロが一生懸命力説する。
「3日でいけるかは分かんないけど…」
「無策じゃねえっつーなら聞かせて貰おうじゃねえか。」
バクフーンが問い詰める。完全にクロが見栄を張っていると思っているのだ。
しかし、クロからはかなりまともな答えが帰ってきたのだ。
「契約書を奪う。そしてこの世から消し去る。」
力強い言葉。ただし、クロは
「本当はこんな事あまりしたくないんだけどね。」
と付け加えた。
「というのは?」
「契約書を奪うっつったって、依頼されてない。それってただの泥棒じゃん。自分がやっている事を正当化するつもりはさらさらないけど、でもオレがやろうとしている事とは違うんだよ。そんなことをしたらあくタイプと皆が分かり合える訳なんてない。でも…な」
エンの方を向いてクロは、
「そうでもしなきゃこの村を守れないからな!」
と言った。
それを聞いた3人は、さっきまでの殺意は何処へやら。
「なあ。俺にも何か手伝えることないかな?自分の村の事なのに自分で何もしないなんて…うまく言えないけど俺が嫌だ。」
「ってかそのつもりさ。じゃあ作戦を説明する。よく聞いてて。」
説明が終わると、それぞれの行動を開始した。