一章 怪盗クロ、只今参上!
07
所変わって、ここはお屋敷の中。主人のエンブオーと使用人のワンリキーが話していた。

「いやぁ、実に見事な[するどいキバ]だ。このようなものを持っていなかったとは、世界一のコレクターとして恥ずべきことだな。」
「手に入って良かったですね、御主人様。」
「左様。お主らもよくやったぞ。」
「いえいえ、私たちは任務を遂行したまでです。
しかし、貧乏人っていうのは騙すのが簡単でしたよ。適当にでっち上げた『報告書』とでも書いた紙を見せて、『この土地は危険だからすぐどけ。新しく住む場所はお前たちの大切なものを担保にしたら保証してやる。』って言ったら完全に信じきって。家宝やら何やらをポンポンポンポンくれるのですよ。」
「あの土地はリゾート地にもってこいだ。文字も読めない輩共だ。あんな奴らにあの土地はもったいない。」
「ですよね!」
「「フハハハハハハハハ!!!」」

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そんな話し声を、クロは壁に耳を当てて聞いていた。

「許せねぇ。人の大切なものを踏みにじるようなマネをしやがって…。絶対に許せねぇ!」
「まあ待て。その気持ちはよーくわかる。だが、怪盗と言うのは紳士的でなければならない。感情に任せるんじゃないぞ。ま、これをつけな。」

グランが懐から取り出したのは、仮面とシルクハットとマント。グランとお揃いのやつだ。

「…何これ。」
「気にすんな。ただのカッコつけだ。」
「はぁ!?」

と言いつつ、実はクロ的にかなり気に入ってたのは秘密である。

「じゃあもうそろそろ行くぞ。オイラのあとについてきて![アイアンテール]!」

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突然壁を突き破ってグラエナとブラッキーが入ってきた事に びっくりしたエンブオーとワンリキー。

「「だ…誰だ!?」」
「手荒な登場をお許しを。私の名はグラン。怪盗グラン。以後お見知りおきを。」
「右に同じくオレの名前はクロ!怪盗クロ、只今参上!!!」
「あ、お前カッコ良くてズルイ。」
「そんなことはどうだっていい!」

グランにとってクロの口上がかっこよかった事が気に食わないようだが、そんな事情を知る由もないエンブオーは叫んだ。

「…失礼。で、怪盗共が二人で私に何の用かな?」
「そうでした。当初の予定ですと、その[するどいキバ]を頂戴しに伺った筈のですが…。」
「どうやら他にも戴く物がありそうだな!」

クロはエンジン全開モードだ。実は落ち着いてるように見えて、グランも心の中で闘志をメラメラに燃やしている。

「ふっ、それは残念だったな。生憎この屋敷には防犯設備がしいてある。ついでにもう発動していて、しばらくしたら警備員が来るだろう。」
「では、警備員とやらが来る前にかたをつけましょう。怪盗グラン!」
「怪盗クロ!」
「「いざ、参らん!!!」」

■筆者メッセージ
沖縄に修学旅行に行ってきました!
いやぁ、電波が繋がらなくてケータイがデジカメとしてしか使えませんでした(笑)

国際通りでお土産をみていたら、「ポケモンご当地」と書かれた根付が!エイサーピカチュウが可愛かった!

行きの飛行機は、ピカチュウジャンボのラストフライトでした!
ちゃ ( 2013/10/05(土) 01:23 )