第二章 ギルド”サンシャイン”
第十七話 ”サンシャイン”での死闘!?VSメリィ&ギル!!【前編】
「はあ、はあっ……待ってて、セブンたち…」

 今、スカイ達はサンから「”サンシャイン”が襲われたの!!」ということを聞いて、”サンシャイン”へ猛ダッシュで向かっている最中だ。

「セブンたち…のこと…だッ…はあ…きっと大丈夫…だろう」

「そうよ…セブンはああ見えて…バトルの経験だって結構…あるんだから!!」

 ホノオとコーフィはそうは言っているものの、内心はすごく焦っていた。

「今すぐ行くからね…みんな…!!」

 スカイはそう言い、”サンシャイン”へ向かう足を速めた。











〜ギルド”サンシャイン”〜

「”シャドーボール”!!」

「フンッ、甘いわね!!”サイコキネシス”!!」

「うッ…うわぁ!?」

 今”サンシャイン”で戦っているのは、セブン。そしてそのセブンの相手は、シャンデリアのようで、その手にはゆらゆらと炎が妖しく(あやしく)揺らめいてる、シャンデラという種族のポケモンだ。
 
 セブンはそのシャンデラ相手にかなりの苦戦を強いられていた。いくらシャンデラというポケモンに相性のいい”シャドーボール”を放っても”サイコキネシス”で別の場所に返されてしまう。かといってむやみに突っ込んでもギルドを襲うくらいの実力だ。どうせそれなりの技で対処するであろう。
 …そしてセブンが作戦を考えている間にシャンデラは勝ち誇ったような笑みを浮かべてこう言った。

「…私とバトルするって言うから結構な実力の持ち主だと思ったんだけど…どうやら期待ハズレのようね。…止めを刺してあげる…」

 そう言い終えるとシャンデラは自らの身体に力を溜めはじめた。
 そしてあっという間にシャンデラの身体は真っ赤に燃え上がっていた。そしてその溜め込んだパワーを一気にセブンに向けて…放った。

「これでお終いよ!!”オーバーヒート”!!」

 セブンは目の前が真っ暗になった。ああ、自分はギルドやみんなを守れずにここで消えちゃうの…?そんな思いがセブンの全身を駆け巡った。そしてまもなく”オーバーヒート”がセブンに直撃―



















―することはなかった。何故ならセブンの目の前には…

「よくここまで頑張ったわね、セブン。後は私たちに任せて!!」

「大丈夫だ、心配ない。お前はサンに治療してもらえ。絶対にコイツは俺達が何とかするから」

「全く…いっつも無茶だけはしないでって言ってるでしょ?…でも、ギルドを守ろうとするセブン、かっこよかったよ」

「サンが知らせてくれなかったら大変なことになってたね〜、こりゃ…」

 ”ヤマト”の4人がいたのだ。上から順に、スカイ、ホノオ、コーフィ、ナージの順に喋っている。
 これには流石にシャンデラも驚いている。だがすぐに状況を理解して、不敵な笑みを浮かべていた。そしてこのシャンデラの次のある言葉(・ ・ ・ ・)に”ヤマト”は身震いした。

「…まさか自分達から現れてくるなんてねぇ…やっぱりこの子たちが”モク”の言っていた…」

『!?』

 ある言葉とは”モク”。この言葉でスカイはシャンデラに向かって言おうとしていた言葉を言おうと決め、その言葉を発した。

「…あんた、モクの仲間ね……!!」

 それを聞いたシャンデラは…

「あら、それ以外何があるっていうのかしら?」

 そうバッサリと言い捨てた。そして数秒の沈黙。それを破ったのは…



シャンデラの方だった。シャンデラは何かを思い出したのか”サンシャイン”の地下に向かってこう言った。

「あー、ターゲット見つけたからこっち来てくんない?早く!」

 シャンデラは地下にいるらしい仲間に、若干イライラを抱えながら叫んだ。そしてまもなくその呼ばれたポケモンが…姿を現した。そのポケモンは、真っ黒の体毛に覆われていて、耳や腕などに黄色いわっか模様のついている、ブラッキーという種族のポケモンだ。
 そしてそのブラッキーを見て、呆気にとられているポケモンが…2人。もうお気づきの方もいるかも知れない。その2人とは…





 コーフィとセブンだ。そして2人はブラッキーに声をそろえてこう言った。

『ギル兄さん(・ ・ ・)…!?」

 なんと、シャンデラに呼ばれたブラッキーは、コーフィとセブンの兄だった。そして当然の如く、場は静まりかえる。

 そして先に口を開いたのはシャンデラ。

「…”あの時”に助かった2人か…メンドーなの相手にしちゃったねぇ…」

 コーフィとセブンは頭がパニック状態になっていた。何故兄が敵側にいるのか。そのことばかりがコーフィとセブンの頭をよぎっては蘇る。

「どうしてなの…?ねぇ、どうして!?」

 やっとの思いでこう叫んだコーフィは完全にシャンデラを憎しみと恨みの混じった目で見ていた。

「……………」

 一方のギルはと言うと、コーフィとセブンの顔を見ても全く反応しない。それどころかギルは”ヤマト”とセブンを完全に”敵”という形で見ていた。

「無駄よ。ギルは私の忠実な僕。あんたみたいな”無関係”な奴なんかの言葉なんて届く訳ないじゃない」

 そしてシャンデラはコーフィにギルとの関係は”無関係”と言ったのだった。そして…

「………ない…」

 コーフィは少し間をあけて、今までに聞いた事のないような低音の声で呟いた。その意味に気付いていないシャンデラは…

「…?何よ。言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよ。私こういう奴嫌いなのよね」

 そうコーフィを更に怒らせるような言い方をしたのだ。それに我慢の限界が来たのだろうか、コーフィは遂に…

「許さないんだからああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

 怒りを爆発させた。
 そして今にもシャンデラを攻撃しようとした所で…

「待て、コーフィ…少し落ち着け」

 そう言ったのは、ホノオだった。そしてコーフィにこう静かに言った。

「このシャンデラ…コイツはオレが倒す」

 そう言いシャンデラの前に立ちはだかった。
 だが、その時スカイは…

「…はあ!?あんのバッカ…シャンデラのタイプと特性を知らないわけ…?」

 そう小声で呟いていた。そしてホノオとシャンデラとは言うと…

「あら、アナタが私と戦うの?どうなっても知らないわよ?」

 シャンデラがホノオを挑発していた。だがホノオはそんな簡単な挑発なんかに乗るはずがなく…

「敵の癖にご忠告どーも。生憎オレは挑発には簡単には乗らない。そして貴様みたいな奴が一番気に食わん」

「なっ……!!」

逆に挑発し返した。そしてその挑発に対してメリィは……

「言ったわね……!!その言葉、ハッタリだったら承知しないわよ……?」

「フ、望む所だ」

「私はメリィ!!口だけ達者そうな火ネズミには絶対負けないわよ!!」

 メリィは憎まれ口をたたきながらもホノオとのバトルを始めたのだった――

■筆者メッセージ
最後のメリィの台詞の後、スカイは滅茶苦茶ホノオに呆れてます。
それは次の回に分かります。
最近戦闘描写はおろか、小説をまったく書いていなかったので次回の戦闘描写がうまく書けるかが…もともとうまくないんですが…

とりあえずこれで前書いていたサイトでの投稿分は終わりです。な、長すぎた…とりあえず反省します…
…明日までに次話書けるかな((書けよ
きゅむ♪ ( 2013/07/29(月) 17:22 )