第十五話 特訓!コーフィ&ナージVSダイア&スペード!!
ここはギルド”サンシャイン”の依頼掲示板の前。そこでなにやら話しているポケモンが数匹いた。
『特訓?』
「そう、私たちと久々にバトルしない?それも2VS2のタッグバトルで!」
今発言したのはスター。スターは”ヤマト”に「バトルしない?」と持ちかけてきたのだ。勿論スカイはバトルが大好きな為…………
「もっちろん!!貴女たちとなら大歓迎よ!!」
と答えた。スターは「そう来なくっちゃ!!」と言ってスカイ達をとある場所へ連れて行った。
〜バトル場〜
ここはバトル場なのだがどこにあるかというと、”サンシャイン”を出てすぐそこにあるという”トレジャータウン”という場所にある。
トレジャータウンというのは、探検隊にとって拠点ともいえる場所だ。ここには銀行やショップ、倉庫や連結店など、ちょっと変わったお店もある。そしてそのうちの1つの施設が、スカイ達が今いるバトル場だ。
「私たち”ヤマト”は4人いるでしょ…”サンシャイン”からは平等な4人……ダイアとスペードとスターとハート親方……っていうかハート親方、ギルドの仕事はいいんですか?」
スカイが人数を確かめ、ハート親方に尤もなことを言った。そしてハート親方は………
「大丈夫だ。副親方のセブンがちゃんとやってくれている。サンもセブンと一緒だから問題ない。それに見張り番もクゥに任せておいた。」
スカイは「成る程」と手をポンッとたたいた。
(それよりセブンって副親方やってたんだ……成長したもんね……)
スカイはそんなことをしみじみ思っていた。
どうやらホノオも同じようなことを思っていたらしい。
「それじゃあ、バトルする組み合わせを決めよっか!」
「うん!!」
こうしてスカイ達はバトルする組み合わせを決めた。
「えっと……まず1回戦がコーフィ&ナージVSダイア&スぺ−ドで、2回戦が私&ホノオVSスター&ハート親方……これでいいね?」
バトルする組み合わせが決まり、スカイがバトルする者同士の確認をしていた。それを聞いた他5人は、「オッケー」などの返事をし、バトルする準備をした。
「それじゃあ、いくよ?3、2、1、でスタートするからね…」
そういったのはスター。今からコーフィとナージVSダイアとスペードのバトルが始まろうとしていた。そして………
「3、2、1、スタート!!!」
バトルが始まった。
一人称 コーフィ
私はスタート合図とともにまず、”凍える風”を放った。でも相手は水タイプとエスパータイプ。しかもとくぼうも高いから大したダメージにはならない。まあ、そんな事分かってるんだけどね。
「くっ………素早さが……下がる……!」
そう、あくまでも私の狙いは”凍える風”の追加効果の相手の素早さを下げるために放った技。そしてその隙にナージが……
「隙アリだよ!”マジカルリーフ”!!」
マジカルリーフをスペードに当てた。あ、ギルドの皆さんから「呼び捨てでいいわよ」って言われたのでご安心を。でもこんな小細工は通用する筈もなく…
「なかなかやるじゃない。このバトル、楽しめそうね、ダイア!!」
そう言ってさっきより力が増したように見えた。
「そうですわね、スペード!私たちも行きましょう!!”サイコキネシス”!!」
っと危ない、今はバトル中だったんだっけ。私は”吹雪”を氷の壁にして”サイコキネシス”を相殺した。
「私も行くわよ!!”アクアテール”!!」
「負けないよ!!”原子の力”からの”大地の力”!!」
ここでナージが2つの技を“
連結”させて繰り出した。さっきナージはトレジャータウンの連結店でこの2つの技を連結させていたらしい。
「やった、”原子の力”の効果で身体に力がみなぎってきたよ!!”宿木の種”!!」
”原子の力の効果、それは10%の確立で全能力を1段階ずつ上がるの。まあぶっちゃけたったの10%だからナージの運が良かっただけなのよね。
「私も行くわよ……”氷のキバ”!!」
私はダイアに”氷のキバ”を繰り出した。ダイアはナージの”宿木の種”のこともあってちゃんとヒットした。
「やりますわね……”気合玉”!!」
……!!”気合玉”は確か格闘タイプの技……これは喰らうとかなりキツいわね……といっても何とかする術がないし……と思ったけど不意にナージに声をかけられ、我に返った。
「だいじょーぶ、ボクに任せて!!”リーフストーム”!!」
ナージったら……わざわざ”リーフストーム”まで使っても私を守りたい訳?まあ、嬉しいっちゃ嬉し……べ、別に嬉しいわけじゃないんだからね!!
「………やりますわね……!!ここまでバトルを楽しくして下さるなんて…スペード、私たちも“本気”を出しましょう!!」
……?今、ダイアが“本気”って言ってたけど…嘘!?あれで本気じゃない訳!?冗談じゃないわ…ただでさえ強いのにこれで本気じゃないなんて…
「ダイア、ゴメンけどあの2人の相手をしててくれる?今から“例の奴”やるから!」
「分かりました、例の奴ですわね、それまで任せてください!!」
どうやら本気って”例の奴”って言うものみたい。でも”例の奴”って…ううん、今はバトル中、しかもスペードは攻撃を一旦止めたみたいだし、今ならダイア1人に集中できる!!
「いっけえええええええ!!”氷のキバ”!!」
「ボクは…”原子の力”、そして”大地の力”!!」
「させませんわ、”守る”!!」
くっ!!”守る”が使えるなんて予想外だったわ……!!でも”守る”は……
「次こそ!!”吹雪”!!!」
「……ボクも!!”未来予知”!!」
「ッつ!!ま、”守る”…………!!」
パリンって音を立てて崩れた。”守る”は連続で使うと失敗しやすい技。だから私の放った”吹雪”が上手くヒットした、って訳。
「……スペード、そろそろいいのでは?」
「………そうね、じゃあ、”例の奴”いくよ!!」
どうやら2人は”例の奴”をやるみたい。でも確かダイアはナージの”宿木の種”を受けていた筈……っと思ってダイアの身体を見たら、
何時(いつ)の間にか”冷凍ビーム”で宿木を凍らせ、”アイアンテール”でそれを砕いてたの!!なんて豪快な方法なのかしら……
「ではいきますわよ、スペード…………!?」
…?突然ダイアの動きがピタリ、と止まった。何故なら……
スペードがその場にダメージを受けたような痛みを感じて、顔を少し歪めていたから。その理由は私にはすぐ分かった。その理由は…
数ターン前にナージの放った”未来予知”がちょうど今発動したの。
皆さんは覚えてますか?ナージの放った技…”未来予知”が何時だったかを…
それは2ターン前。”未来予知”は放った後、2ターンしたら時間差で攻撃がとんでくる技。だから2ターン後の“今”にとんできた訳。そうなったことで2人の技は阻止することができた。
………いや、“そう思ってた”。なんとスペードは何ともなかったかのように今にも”例の奴”を放とうとしていたから。私たちはつい油断していた。そして………
「今、この技を!!………解き放つ!!」
「喰らえ………」
そう言ってスペードは真上に思いっきり”ハイドロポンプ”を放ち、ダイアがそれに向かって”サイコキネシス”を放って、だんだんと”ハイドロポンプ”の形が変わり………
水龍を思わせるかのような形になった。その水竜は………
スペードが更に放った”冷凍ビーム”を自信の羽に
纏い、私たちに向かって突っ込んできた。
『これが2人の必殺……
水竜氷羽!!!!!」
「……………!!!!うわあああああああああああああああああっ!!!」
「きゃああああああああああああああああああっ!!!」
私たちは、2人の必殺技を受けて、負けてしまった。