第十二話 親方様とスカイ
私とホノオはコーフィとナージの感動の再会を微笑ましく見ていた。っていうかそろそろ本題に入りましょうか…
前に言った通り、親方はよく図書館にいるからいろんなことに対してオールマイティに詳しい。だから能力のことを少しでもいいから情報を得たかったから此処に行こうと決めていたの。
「スター、私たち親方に用事があるから図書館に行くね」
「ええ、分かったわ。行ってらっしゃい。場所は覚えてる?」
「勿論。此処の階段を降りた地下2階にあったわよね」
「うん、オッケー!!覚えてるみたいね」
「じゃあ行ってくるね〜♪」
私はスターにそう言って階段を降りていった。
〜地下2階 図書館〜
「へ〜、中は意外と明るいんだね〜」
ナージがそう言ったらコーフィが
「此処本当に地下なの?」
って聞いてきた。…でもその秘密はあの人の体から発する光だなんて言えないわよねぇ…会えば分かるんだけど。これで親方が此処にいるってことが分かったわ。
…え?何で分かったかって?あの人って言うのが親方だから。
そんなことを考えているうちに、親方のいる所に着いた。そして私とホノオは…
「「親方ああああああああああああああああああああ!!」」
そう叫んだ。勿論コーフィとナージがビクッっと体を震わせた。
そして私たちの声に反応したのか親方がこちらに振り返り、こう言った。
「……!!これは夢か
現か幻か!?…いや、そうではなさそうだな。スカイ、ホノオ…久しぶりだな…元気にしていたか?」
そう、この人こそが地下2階の図書館でも明るい原因にしてこのギルドの親方、ウルガモス(♀の)ハート・ブレック。いつもここで本を集中して読んでるから今みたいに大声で叫ばないと気付かない。口調はちょっと古風…かな。1人称が”童(わらわ)”ってちょっと変わっている人。因みに地下2階が親方のせいで明るいのは”太陽ポケモン”だから。
さてと…コーフィとナージの自己紹介は省略して、私たちは能力について親方に窺った。すると…
「…!!おぬし達…遂にそのことを…」
…?最近私の耳って悪いのかな…?もう地獄耳っていえないわねぇ…この耳。
それぐらい聞こえないほど小さな声で呟いた親方は一瞬ためらってどこからか1冊の本を取り出した。
そのタイトルは……なんと”7つの能力 7人の後継者”って書いてあった。
…ん?ちょと待って。後継者って…つまり私たちって元々能力を持っていた人の子孫ってこと?嗚呼、もう、頭が破裂しそう!!ハート親方は私の心境に気付かずその本の内容を読み始めた。
「この本にはこう書かれている。…………不思議な能力を持つ者は、境地に陥った時、特別な技が1戦に1度だけ使うことが出来る。特別な技を使う際、頭にナゾの声が聞こえる…」
そこで一旦ハート親方は言葉を切った。そして私の顔を見てこう言った。
「…スカイ、おぬしは前にこの本に載っていることをそっくりそのまま体験したであろう?」
……ッ!!?やばっ……バレてた!?でも隠す必要ないか…
「…やっぱり親方には敵いませんね…そうです。私は前に1度、この本に載っていることを体験しました」
私は素直にそう言った。でも納得がいってない人が1人いた。
ホノオだ。
彼は怪訝そうな顔でこう言った。
「…何故オレにそのことを話さなかった…?オレはお前のパートナーだ…何も黙っている必要があるのか?」
私はホノオに威圧感さえも感じた。…私が話さなかった意味を今…
話さなくちゃ!!
「…分かったわ。今から話す。私はホノオたちが倒れてからモクを倒すために戦った。だけどモクが追い討ちをかけるようにホノオとコーフィに宿木の種まで当てた。…私が諦めそうになった時に…その時に…」
「そのナゾの声が頭に響いた…ということか…しかしそれだけなら何故早くに話さなかった?」
…そう。でも問題は次。私はモクを倒した後…
「や、やった…ハァ…ハァ…」
《よくやりましたね。スカイ》
「貴女は一体…誰なの……?」
《私…ですか…残念ながら今は言えません》
「……!!何で!!」
《貴女にはまだ早い、という意味です》
「私にはまだ早い…」
《そうです。ですが…貴女の今使った技、光の渦巻き(ライトニングヴォルテックス)の事と今私と貴女が話しをしていたことは…貴女の1番信頼できるパートナーに話してもいいです。ですがその際、誰に話すか慎重に決めてください。…もうそろそろで私は貴女と話せる時間が過ぎます。今回はこれで…》
「待って!!まだ聞きたいことが…」
ナゾの声とこんな感じで言い合っていた。最後に言った言葉はあの声はまるで無視したようだった。
…そう、私は”1番”信頼できるパートナー、つまりホノオにこのことを話すことにしたーーー。