第一章 始まり
第七話 二人の”答え”
 ………へ?私の耳が確かなら今のナージの発言って……能力の所持者…?そ、そんな事………


















 先に言いなさいよーーーーーーーーー!!!

 私は心の中でそう叫んだ。ほんっとナージには度肝を抜かれるわ………

「ゴメンゴメン、話に夢中で言うのを忘れてたよ」

 ゴメンゴメン、じゃないわよ、全く……ってか次はちゃんとこういう大事なことは先に言いなさいよね……

「ならナージ、お前はどんな種類でどんな能力なんだ?」

 ホノオがナージにそう聞いた。私もそのことを言おうとしてたのに…まぁ、ナージの能力が分かるからいいけど。

「えーっと、ボクはスカイと同じ妨害系だよ。そしてボクの能力は…」

 能力は…?私と同じ妨害系ならどんなのかしら…?文字通り何かで妨害するとか…?

 …っと私が勝手な想像をしていると、ナージが教えてくれた。

「幻影を見せることだよ」

 ……はい?

 いやいやいやいや!?あんたの能力って幻影を見せることなの!?それってゾ○アー○と同じじゃん!?それで世界に7人のうちの1人って!?冗談じゃないでしょー!!

 …って私が心の中で思ってたら、ナージがジト目で私を見てた。何よ、その目は。やめなさい、今すぐやめなさい。何時の間にか私はこのことを口に出していたらしく、ナージが渋っていた。そしてこう述べた。

「スカイ〜、僕の能力がゾ○アー○と同じだと思ってたでしょ?ところがどっこい!!ボクの能力のすごい所は、ゾ○アー○とは違って、近くにいるポケモンの能力を丸写しした幻影も生み出せるってとこがあるんだよ」

 …う〜ん、それでも納得がいかないけど、まあ、いいか。要するにメタモンの隠れ特性”かわりもの”みたいな奴で、それの幻影版ってことで。分かりました。こう言ってもらえたらひじょーに分かりやすかった。うん。

 …でも私は後にナージから”ボク、説明下手なんだ!!”って言われた時に合点したわ。そしてずっこけもしたのはここだけの話…

 それよりも私が気になってたことが1つあった。ナージのこの家、自身の能力の幻影で創った、って言ってなかったけ。

 私はそのことをナージに聞いてみた。…私はまさかこんな答えが返ってくるとは思ってもなかったわ…

「ああ、この家?物心ついたときにはすでにここに住んでいて、結構最近になって『あっ、この家自身の能力で創って住んでたんだ〜♪』って分かってそれっきりだよ?」

 …私たちは派手にそれはもう派手にずっこけて、必死に(なんでその考えに行き着いたんだあああああああああああああああああ!!)って突っ込みそうなのをガマンしてたわ…



 ☆


 そのころ…

 僕はあの森から飛ばされたあと、何とか風任せで自分の居場所まで戻ってこれた。

「…スカイ…って言ったっけ…あの技…”光の渦巻き(ライトニングヴォルテックス)”だっけ…何故か懐かしさを感じる…そう、僕のすぐ近くにいらっしゃる、あのお方のような懐かしさ……」

 そう誰にも聞こえないほどの小さな声で呟いたあと、彼女(僕っ娘)は暗闇に溶け込んでいった。









 ☆

 ナージが話し終えたあと、ホノオが1つ提案をしたわ。

「オレが思うに、能力を持つもの同士、孤立していると集団で襲われた時に大変だと思うんだ。だけど固まっていても危ないとは思うが…どっちにしろ危険なんだったら一緒に旅をしないか?だから、コーフィ、ナージ、オレたちと能力のナゾを解き明かすため、一緒に来てくれないか?」

 何でこうもホノオと意見が一致するんだろーな、って私は思ってたケド、今はそんな事どうでもいいわ。私だって同意見だもの。私たちは2人の答えが聞きたかった。するとコーフィとナージはにこっと笑って私たちに笑顔を見せた。

「勿論。…べ、別に1人が嫌って訳じゃないんだからね!!」

「…ボクもコーフィと同じようなものかな。これが僕たちの”答え”だよ。スカイ」

 そう返ってきたとき、私たちは喜びに満ち溢れていた。

「…!!2人とも…うん、これからも改めてよろしくね!!コーフィ、ナージ!!」

 私も2人に負けないくらいの笑顔を見せた。

■筆者メッセージ
☆の部分からスカイたちの会話に戻るまではアイツの一人称です。

…そこ、短いとか言わない。私が一番分かってるので。
きゅむ♪ ( 2012/12/27(木) 17:42 )