第六話 能力の秘密
〜君たちの持つ、不思議な能力についてだよ。〜
不思議な能力について。それは、スカイ達にとって、とても願ってもいなかった内容だった。
「……!!ナージ、何か知ってるの!?」
スカイが身を乗り出してナージにそう叫んだ。
「ちょっと…ね。そのことを今から話すから、よーく聞いてね」
ナージがスカイをなだめ、話し始めた。
「まずは自分の持つ能力がどんなものか、具体的に説明して。まずスカイから」
「私はポケモンの心を読むことができるわ。でも必要が無い時は使えない…ざっとこんなもんよ。次、ホノオ」
「嗚呼、俺の能力は、自分の体力がピンチになると、技の威力が大幅に上がる。因みに猛火との違いは、炎タイプの技だけでなく、他のタイプの技の威力も上がること。それと猛火での効果より火力が上がる…こんな感じだ」
スカイとホノオが話し終えた。
「次、コーフィ、よろしく」
今度はコーフィが話すのだが…その内容に3人は耳を疑った。
「特別に説明してあげるんだからね…私の能力は…
他のブイズに
変身できることなんだからねっ!!」
『!!??』
コーフィの答えに驚く3人。メタモンやミュウならともかく、グレイシアが変身。その単語を聞いただけでビックリするのも無理もない。…ブイズ限定だが。
「ぇ…ちょ、それマジなの?コーフィ?」
スカイが半信半疑でコーフィに尋ねた。その質問にコーフィは…
「ほんとよ!!何なら今みしてあげるわ!!」
強気で答えた。
「う、うん…よろしく……」
スカイはコーフィの気迫に押されたのか、力の抜けた声でそう言った。
「行くわよッ………!!」
コーフィが変身するためか、コーフィの周りが眩しいほどに光りだしそして、光が晴れたと思うとやがてコーフィの姿が変わり………
ブースターへと姿を変えた―。
「ほ、本当に姿が変わった…」
スカイが驚いた。だが驚くのはまだ早かった。
「ほ〜ら、変身できたでしょ。全く…疑うのはこの姿を見てからにしてよね…」
…性格、変わった…?と、言いたそうな3人の心を読んだのか、コーフィが説明した。
「私は姿が変わると性格も名前も変わるわよ?」
…はい?名前も変わる?と、これまた言いたそうな3人にコーフィ(?)が説明した。
「今の私の姿…つまりブースターの姿ではファーミィって名前。とりあえずもう元の姿に戻るわよ?」
そうコーフィ改めファーミィが言った。
『オッケー』
スカイ達3人は了承した。
「はー、疲れ…べ、別に疲れたわけじゃないんだからね!!」
元に戻ったわ…コーフィ…、と3人は思った。
「……っと、話がそれたね。ここで問題!!」
『はい!?』
話を正したナージがいきなり問題!!と叫んだので、スカイ達3人は素っ頓狂な声を上げた。
「だ・か・ら。問題だって。じゃあいくよ。問題!!デデンッ!!今出た能力の種類は何種類ある?」
☆
え?種類?う〜ん、どうだろ?って考えるまでもなかったわ、この問題。
答えは3種類。だって明らかに私たち3人の能力ってバラバラじゃない。私のが心を読む、つまり相手への妨害。ホノオが自己能力上昇。そしてコーフィが変身。どう考えたって3つともバラバラ。
私はそんな感じでナージに答えを言った。そして返ってきた言葉は…
「大・正・解〜!!」
って返ってきた。
「そう、スカイが言った通り、3種類あるよ。ちょっとまってね。ここにあの本が…あったあった。……この本には、その不思議な能力が書いてあるんだ」
へ?ちょっと待って。今ナージはなんて言った?能力についての本?そんなのがあるなら先に出しなさいよ〜!!
「この本に書いてあることは、ざっと2つ。一つ目は能力の種類について。能力はこの本によると3種類あるらしいよ。1つ目が”相手にとって不都合な能力”。これはスカイに当たるね。
そして2つ目が”自己能力が通常より高くなる能力”。これはホノオ。
そして最後に”姿や能力をそっくりそのまま借りる能力”。これがコーフィに当たるわけだ。
それとこの本に書いてあることについてもう1つ。能力を持つものはこの世に7人いるらしいよ」
ちょっと待って!!ナージ!!そんなに伏線を広げないで!!え?そんなことを言うなって?そんなことは後にしてよ!!というか7人?てことはもうここに約半分の人数がいるって訳よね?なんなの!?一体!!ほんとにナージって何者!?この物語10話くらいとかで終わんないよね!?
そんな私の心境を読んだのかナージが私に向かってこう言った。
「そういえばボクのことを詳しく言ってなかったよね。ボクはね……
正確には
ボクも、能力を持つ1人であるんだよ…この家も、ボクの能力で作り出したものなんだ」