猛毒に苦しむホノオたち…それを見てスカイは呆気にとられる。





　〜仲間が自分のせいで傷ついてる−−−。〜

　スカイはだんだんそんな感情がこみ上げていた。

　自分の、自分のせいでホノオたちが…！

　…私、どうすればいいの…？





　彼女があきらめかけたその時−−。





「俺達に構うな！！お前は…ぐっ…そいつを…たお…せ…」

　ホノオが声を振り絞ってスカイにそう叫んだのだ。

　それにスカイは我を取り戻した。




　そうだ、私がこんなことでどうするの…私が…














「ホノオたちを守るんだああああああああ！！」

　そう叫び、スカイは戦闘体勢に入った。

「…バトル、続行だね…！」

「ええ、続けるわ」

　そして再びバトルが続行された。









　スカイとモクの攻防は激しかった。

　モクは”宿木の種”や”どくどく”などを当てようとしてきたのでそれをスカイが”アイアンテール”や１０万ボルトで相殺していく。スカイは相殺し終えると、”アイアンテール”で追撃を狙うがやはり”影分身”で無効にしてくる。
　かといって”電撃波”を撃っても効果はあまり無い。







　―スカイとモクの実力はほぼ互角。

　どちらかが今にも倒れそうな状況だ。

「はあっ、まずいわね…次辺りで決めないと…」

「くっ、思ったより、しぶといや…でも、僕だって負けるわけには…」

　両者は対策を練った。そして先に動いたのは…








　モクだ。

　モクは”宿木の種”をスカイではなく、ホノオとコーフィに向けて飛ばした。
　勿論、ホノオたちは避けれることなくヒットした。
　これはスカイが一番恐れていたことだった…。





　スカイの顔がだんだん青ざめていく。

　ああ、やっぱり私のせいだ…私が…弱いから…ホノオたちを…守れなかった…
　スカイはもう(・　・)あきらめる寸前だった。






　だがその時。スカイの脳裏に声が響いた。

《あなたは弱くなんかない…そうでなければ、あの時モクに立ち向かえなかったハズだ…》

　…！だれ！？…スカイは真っ先にそう思った。
　…いや、それよりそうだ。あの時スカイはホノオがいなければモクに立ち向かえなかったハズだ。スカイは何よりもホノオたちのことを思って戦っていた。
　今もそうだ。きっとホノオたちがいなかったらもう(・　・)諦めていただろう。





「私は…　　　　　　　　もう(・　・)何も失いたくない！！！！」

　スカイは不意にそう口に出していた。自分でも何を言っているのか分からなかった。

（…何…！？何で勝手に言葉が…ッ…もう(・　・)って…どうして今思い出すの(・　・　・　・　・　・)！？あのことは…ッ！！…それより今はモクをッ……！！）

　そう思いスカイの身体が光りだした。今思い出すの(・　・　・　・　・　・)の部分を心の中で強調しながら―








「はあああああああああっ！！」

「…！？な、何だ！？」

《スカイ、今この瞬間、あの技を使うのです！！》

「ええ、分かっている！！くらえ…










　光の渦巻き(ライトニングヴォルテックス)！！」





　スカイがその技名を叫んだと同時に、光の渦巻き(ライトニングヴォルテックス)が出現した。その渦は…









　モクを…襲う！！！









「……！！こっ、この技はッ！？……まさか(・　・　・)っ…本当にっ…うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ！！！」

　モクの断末魔が、森に響いた。

　そしてスカイは…













　その場に倒れこんでしまった。