第二話 謎の襲撃者
「ふあぁ…おはよう、ホノオ…」
「何だ、まだ眠そうにして。どうせ昨日楽しみで寝られなかったんだろ」
朝になり、スカイとホノオはモーニングトークを交わしていた。尤もスカイはあの後楽しみすぎて3時間も寝ていない状態だ。
「…なんでばれたのよ…」
「お前の考えることなんてお見通しだ。それより早く飯を作るぞ。食ったら早速出発するぞ」
…そう言われた後、スカイはバツが悪そうな顔でホノオをしばし見ていたという。
「…ところでまずどこに行く訳?」
「お前がリーダーだろ。お前が決めろ」
どうやら今はまずどこへ行くか話しているらしい。
ホノオにどこに行くかを決めてもらおうとしたら、”自分で決めろ”と返ってきた訳だ。
「その言葉を待ってたのよ!!実はもう決めてあるんだ」
「…突っ込まない方がいいな」
ホノオの判断はごもっとも。スカイなら今突っ込んだってどうせ焦らしてくるに決まっていると悟ったのだろう。
「…してその場所は?早く言ってくれ」
「分かったわ。その場所は…」
スカイがその場所を言おうとしたその時−−−。
−……助けてっッッッ!!!−
「…!!」
突然誰かが助けを求める声を上げているのを2人は瞬時に悟った。
「…行くわよ、ホノオッ!」
「嗚呼、分かっている…ッ」
一方助けを求めたポケモンはというと…
「う……ううっ…お願い、誰か…助け…て…」
「フフフ…いくら助けを求めたってムダさ。こんな森なんかに助けが来るわけないじゃないか」
「……くっ!…」
助けを求めたポケモンは、不適に笑みを浮かべる、体がフワフワした綿に包まれ、体の色が茶色の、エルフーンという種族のポケモンに襲われていた。
「相手は草タイプなのにねぇ。氷タイプが普通、僕なんかに負けるぅ?何でボスはこんなやつを……!!」
エルフーンは襲っていたポケモンに聞こえないほど小さな声で喋っていたのだが、何者かの気配に気付き、とっさに喋るのを止めた。
…だが時すでに遅し。なぜなら後ろにはスカイとホノオが立っていたのだ。
「私は耳がいいの。今までの話、全部聞かせてもらったわ。あなた、何でそこまでしてそのグレイシアを痛めつけているの?」
どうやら謎のエルフーンが襲っていたのは全身が水色で、今にも倒れそうなグレイシアという種族のようだ。
スカイはそう言い、エルフーンの答えを待った。そしてこの後、スカイたちは返ってくる言葉に耳を疑った。
「そんなもの、そのグレイシアが持つ不思議な能力に決まってるじゃないか」
「「………ッ!?」」